キャリア

妻がパートに出ようと思ったら… 扶養内で働く際の注意点

FPの家計相談シリーズ

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。今回は花輪陽子氏がお答えします。

貯金をしたいのですが、なかなか貯められません。働きに出ようと思っているのですが、下の子が3歳なので、来年私立幼稚園に入れてパートに出ようか、それとも保育料の比較的安い2年保育の公立幼稚園まで待とうか悩んでいます。近くの私立幼稚園は認可外なので、幼児教育・保育の無償化が実施されても、無償化の対象にならないのではないかと思っています。また、幼稚園のうちは子どもが体調を崩しやすいと聞き、働くことができるのかも不安です。

〈相談者プロフィール〉
・女性、38歳、既婚(夫:営業職)、子ども3人
・職業:専業主婦
・居住形態:賃貸
・手取りの世帯月収:36万円
・毎月の支出目安:36万円
・総資産:200万円


花輪: 未就学児の子どもを預けてパートに出るかどうかは悩ましいところです。なぜなら、日本では保育園の受け入れなどが不十分で、扶養などの制度設計の問題もあるからです。

妻の年収が201万超なら控除なし

まず、働くことによって扶養から外れる可能性があることを考える必要があります。

2018年1月から配偶者控除が改正されました。これまで控除を最大に受けるには、扶養される妻の年収は「105万円未満」(年金収入なら160万円未満)とされていましたが、今回の改正で「150万円以下」(年金収入なら205万円以下)まで可能になりました。

また、控除が段階的に適用される配偶者特別控除の適用要件も緩和され、妻の年収が「103万円超~141万円未満」(年金収入なら158万円超~196万円未満)とされていたのが、「103万円超~201万円以下」(年金収入なら158万円超~243万円以下)まで広がりました。

もう1つのポイントとして、配偶者控除が適用される夫に年収制限が付くということがあります。夫の年収が「1,120万円を超える」と控除額が次第に減り、年収「1,220万円を超える」とゼロになります。

従来は配偶者特別控除にのみ年収制限が付いていましたが、今後はたとえ妻に収入がなくても、高額納税者である夫は配偶者控除が適用されなくなります。

つまり、2018年からは夫の年収が1,220万円超か、妻の年収が201万円超なら、控除はまったく受けられなくなりました。

社会保険料、会社の家族手当にも注意が必要

税金の扶養は減らされる控除額が階段状になっているのでまだよいのですが、問題は社会保険料の扶養の壁です。

2016年10月の社会保険制度の改正により、これまで年収130万円以上のパート労働者が対象だった社会保険料の負担が、大企業で働いている人など一部の人を対象として、年収106万円以上に引き下げられました。社会保険料の負担は年間20万円前後と大きいために、ひとつの大きな壁となります。

また、会社の家族手当のガイドラインも確認する必要があります。

人事院の「平成28年職種別民間給与実態調査」によると、家族手当を支給している企業のうち、85.4%が対象となる配偶者に収入制限を設けています。さらに収入制限の額として、65.9%が「103万円」すなわち配偶者控除の上限額を使用し、29.5%が「130万円」すなわち社会保険料の扶養の上限額を使用しています。

妻自身が支払う住民税、所得税等のラインも確認が必要です。東京23区の場合、パートの年収が103万円以下であれば所得税はかからず、100万円以下であれば住民税もかかりません。

パートで働くなら年収100万程度に

専業主婦がパートをする際には、配偶者控除、社会保険料の扶養、夫勤務先の家族手当、自身の所得税・住民税と気にしなければならないポイントがたくさんあります。また、子どもを預けるためのお金もかかります。

これらの壁や保育料を大きく越えて高収入で働くか、短時間で年収100万円程度のパートをするかという選択肢が依然として有力になりそうです。

幼稚園の場合、園によっては預かり時間が非常に短く、お弁当持参という場合もあるので、かえって大変になる場合もあります。長時間預かってくれる保育園を選択するのも手かもしれません。詳細を園に確認して、家族と話し合って決めるとよいでしょう。

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