はじめに

ひと昔前まで、骨折のリスクと言えば、高齢者特有のものだと考えられてきたように思います。子供の場合は、男児や運動中の骨折が多いことから、活発な証拠、といった印象すらあったように思います。

ところが、最近では、ちょっとしたことで子供が骨折するようになった、という話を聞きます。実際、どのぐらい子供の骨折は増えているのでしょうか。原因として、どういったことが考えられるのでしょうか。


骨折患者数が多い年代は?

骨折は、主に子供時代と高齢期に発生します(図表1)。

高齢期の骨折は、要介護状態となる原因の1つである等、身体に深刻な影響を与えることがあることで知られています。一般に、加齢にともなう筋肉・骨・関節等のトラブルによって、バランス能力・体力・移動能力などが衰え、立ったり歩いたりといった日常動作が困難になることをロコモティブシンドローム(ロコモ)と呼び、予防のためには、若い頃からの栄養摂取や運動習慣が重要とされています。

(図表1)

(資料)厚生労働省「患者調査(2014年)」

子供の骨折が増加

ところが、若い頃から骨を強くしておくことが、ロコモを防ぐための予防策の1つと考えられているにも関わらず、子供時代の骨折は増えています。

独立行政法人日本スポーツ振興センターによる「学校の管理下の災害 -基本統計-」で、1970年度からの骨折発生率の推移をみると、小学校から高等学校で増加傾向、小学生未満では2000年度以降減少傾向があることがわかります(図表2)。そして、全体計では、2016年度には25年前の約1.4倍、40年までの2程度に増えているのです。

(図表2)