取りそろえられるのは、世界のワインおよそ100種類。国内最大級のワインイベント「ワールド ワインフェス 2018」が11月、東京・秋葉原で開催されます。

主催するのは、流通大手のイオン。なぜこのタイミングで、ここまで気合いの入ったワインイベントを開催するのでしょうか。8月23日に行われたイベントの概要発表会で、その狙いに迫りました。


1日最長4時間ワイン飲み放題

ワールド ワインフェス 2018は11月10日(土)・11日(日)の2日間、東京・秋葉原で開催されます。チケット代は前売り券2,000円、当日券2,500円(いずれも税込み)。試飲ワイングラス+フードチケット5枚がチケット代に含まれます。約270坪のスペースに世界各国のワインが集まり、2日間で約1万人以上の来場を見込みます。

イベントは「フリーフロー」形式、いわゆる飲み放題です。入場時間に応じて最大4時間、会場内のワインを好きなだけ試飲することができます。

試飲ブースには世界約9ヵ国26ワイナリーから生産者が集結。直接自社商品をサーブし、ワインのおいしさを直接PRします。なかなか会えない海外の生産者と直接話ができる、ワインへの理解を高めるには絶好の機会です。

マスターソムリエの高野豊さんも「今までは情報だけが飛び交って右往左往している状態でした。現場で直接会って話すことにより、生産者にとってもお客様にとっても新たな発見があると思います」と、生産者と来場者の交流がもたらす新風に期待を寄せています。

また、初日の11月10日には「イオンワインアワード2018」の表彰式も開催されます。イオンで働くソムリエたち100名が、直輸入ワインの中から「最強のデイリーワイン」「週末おすすめワイン」「ご褒美・おもてなしワイン」の3部門の受賞商品を決定します。もちろん、このアワード受賞ワインも試飲できるそうです。

フェスに合わせて販売体制も大幅拡充

このワインフェスに合わせ、イオンは販売体制にも策を張り巡らせます。1つ目はリカー専門店の拡充です。9月13日には、ワインを含めた輸入食品を扱う専門店「カフェランテ」(約70坪)を大崎広小路駅前にオープンさせます。

イオンはワイン需要の高い都心部でリカー専門店を増やす方針です。現在の12店舗から2025年度には25店舗まで増やす計画を掲げています。

もう1つが“AI(人工知能)のソムリエ”です。ワインのEC(ネット通販)サイト上でAI技術を活用した「Webソムリエ」というサービスを開始すると発表しました。これは、ECサイト上のチャットで希望を入力するとチャットボットが好みに合ったワインを紹介してくれる、というシステム。ワインフェスに合わせて、今秋頃から開始されるそうです。

2019年に向けた試金石

このように見てくると、イオンのワインに対する並々ならぬ力の注ぎようが感じられます。その背景には、今年7月に署名された欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)の存在があるようです。

EPAは日本とEU双方の経済活性化を目的として、貿易や投資が自由で円滑に行えるよう取り決めた条約です。この中の関税に関する取り決めで、ワインについては関税が撤廃されることが決まり、今後EU産のワインが安く日本に輸入できるようになります。

EPA発効による効果について、イオンリカーの神戸一明社長は「関税分の販売単価が下がるとなると、特に低価格帯のワインはさらに手に取りやすくなると考えています。イオンとしてはチャンスととらえ、ワイン市場全体を拡大していきたい」と話しました。

 イオンが公表した2017年ワイン輸入実績ランキング(コルドンヴェールはイオン傘下の酒類輸入商社) 

イオンによれば、国内のワイン市場のうち、同社グループは流通量で約22%のシェアを持ち、2017年のワイン輸入量も国内3位の実績を持っています。EPAの発効は2019年春頃とされています。その効果を最大化できるのか、ワールド ワインフェス 2018はその重要な試金石となりそうです。

(文:編集部 瀧六花子)