はじめに

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。今回は内藤忍氏がお答えします。

昨今、ほとんどタダのような価格で売られているリゾート地のマンションがあります。釣りが趣味で月1~2回、週末に伊豆に行くのですが、築25年ほどで温泉付きの200万~300万円台の眺めの良い物件がたくさんあります。老後に住まないとしても、利用価値があるように思えてきました。ただ、これらのマンションでは3万~4万円の管理費がかかるのも事実です。貯金は1,500万円ほどあるので、小さなローンを組んで……とも思っているのですが、これは投資といえるのでしょうか。アドバイスをお願いします。
(男性 30代後半 既婚・子ども1人)


内藤: 投資とは、自分の資産を投入して、定期的な収入(インカムゲイン)や投資対象の値上がり(キャピタルゲイン)を狙うことを指します。

そのような観点から見ると、検討されているリゾート地のマンション購入は投資ではありません。

購入費の他にもかかるコスト

趣味に資産を使う「消費」という観点から、利用する価値があるかどうかを検討していくことになります。

マンションを購入して趣味に活用するとすれば、当初の購入費用が200万~300万円、それに管理費用が別途毎月かかることになります。もし、10年間使い続けたとして、10年後に売却できる価格が半額だとすれば、300万円で購入したら150万円の値下がりになります。それに、管理費が月に4万円かかるとしたら、10年間で480万円かかります。

それだけではなく、固定資産税、設備の修理や故障対応、定期点検、さらに光熱費や水道料金など、さまざまなコストが追加されます。

また、10年後に売却できないリスクも考えておくべきです。リゾートマンションは、一般に金融資産より流動性が低い不動産の中でも、さらに売りにくいものになります。将来、価格を下げても買い手が現れず売却できないリスクもあります。そうなると、コストはさらにアップします。

資産ではなく「高コストな趣味」

どの程度の頻度でリゾートマンションを利用するかによりますが、このように考えていくと、趣味のために不動産を購入するのはかなり高コストになることがわかります。

自分で利用するために不動産を保有するのは、賃貸に比べ、自由度が犠牲になるというデメリットがあります。マイホームを購入すると、引っ越しするためには家を売却しなければならず、コストがかかってしまう。それと同じように、リゾートマンションを購入すれば、趣味で出かける場所の選択肢は狭まり、自由度が低くなります。

せっかく釣りの趣味をお持ちでしたら、同じ場所に何年も通うのではなく、リゾートマンションへの支出と同じ金額を使って、いろいろな場所に出かけた方が満足度は高いのではないでしょうか。

自分の拠点を持つということに魅力を感じる気持ちはわかりますが、トータルの費用をきちんと計算した上で、他の方法と比較して、どちらが経済的に合理性があるかを判断するようにしましょう。

結論として、私は大切な金融資産を高コストの趣味のために使ってしまうリゾートマンションの購入には、反対です。

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