「どうも、ジョージアの顔です」。9月3日に開かれた日本コカ・コーラの「ジョージア」シリーズからの新商品発表会。長年、商品コマーシャルに出演している俳優の山田孝之さんは、茶目っ気たっぷりにこう挨拶しました。

今回新しく発売されたのは「ジョージア グラン 微糖」。シリーズでは久しぶりの缶入り新商品です。容器入りコーヒー飲料の市場で缶入りからペットボトル入りへと売り上げがシフトしているといわれる中、ジョージアシリーズでも「ジョージア ジャパン クラフトマン」などペットボトル飲料を販売しています。

その最中に、なぜ“缶”の新商品を投入するのでしょうか。日本コカ・コーラのコーヒー飲料戦略を考察してみます。


「グラン」=大人の味わい

「容器入りコーヒー飲料市場で、“微糖”は2番目に売れているセグメントです」。こう話すのは、商品開発に携わった日本コカ・コーラの田中学シニアマネージャーです。

「微糖タイプのコーヒー飲用者の大半が、通常の砂糖ミルク入りコーヒーより味わいがしっかりとしたものを好んでいます。一方で、ブラックコーヒーは苦手としていることが判明し、適度な甘みと飲みやすい味を維持しながらも、よりコーヒーの強い味わいが求められています」(同)

 日本コカ・コーラによる微糖コーヒー購入者の嗜好調査結果

発表会と同日に発売された「ジョージア グラン 微糖」は、商品名に「グラン」を冠した新しいラインナップです。英語の”Grand”の「威厳のある」「堂々とした」という意味から、より本格的なコーヒーの味わいを感じるシリーズとして命名されました。

原料にもこだわっています。ミルクは厳選した国産牛乳100%使用。要のコーヒー豆はブラジル産最高等級豆を中心に、通常よりも30%多く使用しています。丁寧な深煎り焙煎によって、「深い、強い、大人の飲みごたえ」というキャッチフレーズ通りのしっかりとしたコーヒーの味わいを実現したといいます。

 新製品発表会にゲストとして参加した大関の栃ノ心関(左)と俳優の山田孝之さん(右)

“缶”で新商品投入のワケ

では、なぜ缶で新商品を発売したのでしょうか。

その理由について、田中シニアマネージャーは「“微糖”商品の売り上げのうち、8割は缶コーヒーによるものです。また、缶コーヒー購入者のリピート率はまだまだ伸びています」と、微糖ジャンル制覇には缶であることが不可欠だと説明します。

日本コカ・コーラの商品を製造・販売するコカ・コーラ ボトラーズジャパンホールディングスの2017年度決算資料によると、コーヒーカテゴリーの販売数量は前期比5%減と振るいませんでした。その要因については「コーヒーの販売数量構成比が高いベンディング(自動販売機を通じた消費者への直接販売)の数量減が影響」としています。

この状況を打開すべく2018年の4月に投入されたのがペットボトル入りコーヒー飲料の「ジョージア ジャパン クラフトマン」でした。缶コーヒーを飲まない層や、お茶などの清涼飲料水の代わりにコーヒーを買う層へ展開し、新たな顧客層の開拓を目指しています。

そして、自販機の主力商品である缶コーヒーの分野で、今回のジョージア グラン 微糖を投入。商品リピート率を引き上げることで、自販機チャネルでの売上高の下げ止まりを狙うという戦略です。

新規顧客の開拓と既存顧客のリピート率向上。あえて二兎を追う戦略を選んだジョージアブランドの戦略は吉と出るのでしょうか。

(文:編集部 瀧六花子)