はじめに

株価が上がるのか下がるのか、それを予測することは非常に難しいものです。しかし、過去の値動きからトレンドやパターンなどを把握し、今後の株価予想に活かす分析方法があります、それがテクニカル分析です。

今回はテクニカル分析の中から、初心者にも使いやすい「フォーメーション分析」の見方についてご紹介します。


フォーメーション分析はどんな時に使える?

フォーメーション分析の説明に入る前に、今年に入ってからの日経平均株価の値動きについて振り返ってみましょう。

日経平均株価は2018年1月23日に 2万4,129円の高値を付けた後、2018年3月26日に2万347円まで3,782円下落しました。その後、2018年5月21日に高値23,050円をつけ、71.4%戻りを達成しました。

以降、約4カ月近くに渡る横這いトレンドが形成されていましたが、遂に2018年9月中旬、この横這いトレンドを上に放れた可能性が高まっています。このような状況で、重要な上値目処や下値目処を予め予測することができるのが、フォーメーション分析なのです。

反転パターンとは何か

フォーメーション分析を理解するには、「反転パターン」と「継続パターン」について理解することが必要です。順に追ってみていきましょう。

まず、反転パターンは、メイントレンドのトップまたはボトムに現れます。パターンの形成開始から終息まで数か月、場合によっては1年以上かかり、パターンが形成される前と後でトレンドの方向が反転します。

反転パターンには5種類あります。(1)トリプル、(2)ダブル、(3)ソーサー、(4)ライン、(5)スパイクなどのトップとボトムがあります。なお、(1)トリプルでは、その1形態であるヘッドアンドショルダーズ(日本では三尊天井・逆三尊と呼ばれています)が有名です。下図はトップのみ5つ表示していますがボトムはこの逆です。

継続パターンとは何か

続いて継続パターンについてです。フォーメーション分析の中で継続パターンは、継続していた上昇(下降)トレンドが一旦中断された後の保ち合いとして形成され、その後元のトレンドが再開されます。この継続トレンドはサブトレンドに位置付けられ、パターンの形成開始から終息までの期間は数週間から数か月かかるとされています。

継続パターンは主に2つに分類され、その1つは3種類のトライアングル(三角保ち合い)で、重要度が高くなります。パターンの形成開始から終息までの期間は比較的長いのが特徴です。2つ目は、比較的短い期間で終息する中短期パターンがありますが、ここでは割愛します。

当面の上値参考値は?

現状の日経平均株価を分析する場合、2018年1月23日の年初来高値からの動きは反転トップの可能性があるものの、3番の高値か5番の高値かの判断は現状では分かりません。

ただし、2018年1月23日の年初来高値2万4,129円から3月26日年初来安値2万347円まで3,782円の下落となりました。その後、ここからの戻りが「上昇トレンドの途上で発生した継続パターンの可能性が高く、5月21日の戻り高値2万3,050円以降の動きは継続パターンの(1)アセンディングトライアングル(上昇三角形)の可能性が非常に高いと言えます。

1番目に2018年1月23日年初来高値24,129円、2番目に25,753円(チャート図:(1)から(2)までの上昇幅2,703円を(2)に加えた値)、3番目に27,911円(2018年1月23日年初来高値から(1)までの下落幅3,782円を2018年1月23日年初来高値に加えた値)まで上昇幅を拡大する可能性が考えられます。

(文:いちよし証券 投資情報部 高橋幸洋)

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