はじめに

日が短くなり、肌寒くなると、そろそろやってくる衣替えの季節。

大切な洋服を少しでも長く着るためには、正しいお手入れが欠かせません。衣類を長期間にわたってしまう時は、清潔な状態で保管しないと、久しぶりに袖を通す時に虫に食われて穴が開いていたなんてことも。

夏服をしまう前と、冬服を出す時に心得ておきたいことについて、整理収納アドバイザー1級の資格を持つ、衣類収納のスペシャリストに聞きました。


収納前にすべき「繊維の汚れを落とす」方法

記録的な猛暑だった今年の夏。たくさん汗をかいた分、汗や皮脂汚れが洋服にこびりつき、洗濯しても落ちずに残っていることがあります。

衣替えでしまう前には、そうした汚れをしっかり落とすことが大切です。

「汚れが付着したまま衣類を収納してしまうと、カビや虫食い、変色、生地が弱くなったりする恐れがあります。特に、汗などの付着時に見えないシミは、時間が経つと変色するので要注意です」と教えてくれたのは、家事代行サービス「カジタク」で“片付け名人”の異名を持ち、予約半年待ちのキャスト・山口菜穂子さん。

汚れをしっかり落とすためには、洋服の繊維から清潔にすることが重要。そのためには、酸素系漂白剤につけ置きしてから洗濯するのが効果的だといいます。

<繊維に入り込んだ汚れを落とす方法>
①お湯に溶かした酸素系漂白剤に、洗濯物を30分~1時間程度つけ置きする。
②普段の洗濯洗剤と一緒に、洗濯機に投入する。

「漂白剤は、お湯の温度を上げることで漂白効果がアップするため、シミや臭いのレベルに応じて温度を上げていくのが良いでしょう」

通常なら30~50℃、頑固な汚れは50~60℃くらいまでを目安に。ただし、温度を上げると、その分生地を傷めたり、色落ちさせてしまうリスクもあるので注意が必要です。

衣替えの“4大鉄則”とは?

汚れをしっかり落としてからしまうことは、夏服に限ったことではありません。季節を問わず、衣替えには守るべき「4つの鉄則」があるといいます。山口さんに伝授してもらいました。

1.収納する前に汚れを落とす

クローゼットにしまっていた間にできた、覚えのないシミや黄ばみは、繊維の奥に残った皮脂汚れが原因。シミや黄ばみ、臭いを防ぐには、洋服を繊維の中からきれいにすることが何よりも大切です。

2.収納する前に衣類をしっかり乾燥させる

衣類は必ず、よく乾燥させてから収納しましょう。衣類に湿気が残ったままだと、カビや虫食いなどさまざまな問題を引き起こします。風通しの良い場所で、湿度の最も低い時間(午前10時から午後2時頃まで)に干すのがおすすめです。

3.収納場所の掃除

衣類を守るためには、タンスの引き出しやクローゼットなどの収納場所の掃除も欠かさずに。中を空にして掃除をすることが難しい場合は、服を入れたままの状態で、扉や引き出しを開け、風通しを良くして、湿気がこもらないようにしましょう。

4.直射日光を避ける

色褪せの原因になるのが衣類の日焼け。収納場所が窓に近い場合は、直射日光を避けるなどの注意が必要です。

ただ、いくら衣類や収納場所を清潔にしていても、洋服がある場所には衣類害虫が侵入する可能性があります。防虫剤も併せて活用するようにしましょう。

ハンガーに吊るしたまま長期間保管してもOK?

最近では衣替えといっても、畳んでタンスにしまうのではなく、ハンガーにかけっぱなしにすることも多いのではないでしょうか。

ハンガーに吊るした状態で長期間そのままにすると、ニット類など素材によっては洋服が伸びて型崩れする恐れがあります。「ハンガーにかけたまま収納する際は滑り止めがあり、衣類が伸びるのを防止するハンガーを使用しましょう」と山口さん。

一方で、型崩れやしわを避けたいシルクなどの洋服は、畳まずにハンガーに吊るしたままの方がいいそうです。衣類の型崩れを防ぐには、素材の特徴によって収納方法を使い分ける必要があります。それは、畳んでからしまう場合も同様のようです。

「タンスや衣装ケースなどに畳んでしまう際は、上に重ねて収納するよりも、縦に並べて収納する方が衣類に重みがかからないので、しわがつきにくく、型崩れも防止できます。収納スペースの都合で、どうしても重ねなければならない場合は、しわが付きにくい素材の洋服を下にするといいでしょう」