はじめに

冬服を出して着る前にも、ひと手間加えて

夏服をしまう時だけではなく、長い間クローゼットの奥にしまったままの冬服に、久しぶりに袖を通す時にも、注意すべきポイントがあります。

「クリーニング後のニットやコートなどは、基本的に衣替えで出した後そのまま着ても問題ありませんが、クリーニングに出さずに畳んで保管していた衣類は、着る前に一度洗濯をしたほうが良いでしょう」

ニットは非常にデリケートな衣類なので、洗濯表示タグをしっかり確認してから適切な方法で洗濯をすることが重要だといいます。また、上質なウールは、虫食いの被害にあいやすいので、虫食いチェックも欠かさずに。

長期間、同じ状態のままで保管することによって、しわや臭いがついてしまった場合は、「スチームアイロンでしわを伸ばしましょう。同時に臭いも消せますよ」と山口さん。スチームアイロンは、同様にダウンやコート類にも有効だそう(商品によっては傷つく素材もあるのでご注意を)。

また、季節の変わり目に活躍するトレンチコートは、またすぐ着るからとついクリーニングに出しそびれてしまうことも。

「トレンチコートは家で洗濯できるものもあります。まずはタグの洗濯表示を確認しましょう。ただ、シワになりやすいので注意が必要です。シワ残りにはアイロン掛けを行いますが、必ずあて布をして生地裏側から低温でかけてください」

ただし、水に弱いレーヨンやキュプラなど「水洗い不可」のマークがついたものは必ずクリーニングに出す必要があるそうです。

クリーニングのカバーは外す?

家で洗濯するのが難しい大切な衣類は、衣替えのタイミングでクリーニングに。戻ってきた洋服にかかっているビニールのカバーは「外してから収納する」が正解です。

「そもそも、ビニールのカバーは移送の際にホコリがつかないために使用しているので、収納時には適しません。包装されたままの状態で収納すると、カバーの中に湿気が溜まり、カビや黄ばみが発生したり、型崩れが起こる恐れがあります」

衣替えの正しい知識と適切な方法を身につけることで、お気に入りの洋服をカビや虫食いから守ることができます。大切な洋服をワンシーズンでも長く着ることができれば、節約にもつながりそうです。

【取材協力】カジタク
家事代行やハウスクリーニングをメインとした、イオングループの家事支援事業。柔軟な発想とおもてなしの精神で幅広いサービスを展開する。イオングループのスーパーや家電量販店、ネットショップで購入できる家事サービスパッケージ「家事玄人(カジクラウド)」が好評。

(文:編集部 土屋舞)

この記事の感想を教えてください。