はじめに
子どもが高校生ともなれば、部活や塾など忙しい毎日を過ごすようになります。やりたいことも色々あるでしょう。毎月のおこづかいではとても足りないというケースもでてきます。
もしも、子どもから親へ借金をしたいと申し出があったら、皆さんならどう対応しますか?
ここでは、親からお金を借金した高校生がバイトをして返済をする経験の真意を「わが家のお金教育」のひとコマとしてご紹介したいと思います。
欲しい物を手に入れる方法は3つ
私たちが生活するうえで、必要な物を買う以外に、欲しい物を手に入れたいという欲求にかられてしまう事があります。高校生にもなれば、趣味や興味の幅もひろがります。
息子もそれまで夢中だったパソコンいじりから、自転車へと移っていきました。中学1年生の後半くらいに、ロードバイクを買ったのですが、それが自転車へ興味が沸く最初の出会いだったようです。
その自転車が壊れてきたので新しい自転車を買いたいと考えたのです。ただ買うのではなく、自分で自転車を組み立てたいという申し出でした。フレームからタイヤ、部品まで発注して、ド素人が組立てるというのです。もちろん、本人は到底お金を持っていないので、親から借りたいと交渉してきました。
欲しい物を手に入れるには、
1我慢する
2お金を貯めて買う
3お金を借りて買う
の3つの方法があります。
息子は、このうちの「お金を借りる」という選択をしたのです。わが家の方針では、お金の貸し借りは禁止としていました。しかし、親としては、高校生からはお金を借りるということがどういうことなのか理解させる機会が必要だという考えを持っていました。
そこで、これはいいタイミングと考え、返済予定表を作成し、お金を貸すことで、息子には高校生のうちに、借金をして完済するという貴重な経験をさせることにしたのです。
借金返済という“理不尽さ”を経験させる
お金を借りれば、そのお金は相手に必ず返さなければいけません。また、借りたお金と借りていた期間の分に相当する「利息」というお礼を付けて返すのが一般的です。収入が手元に入ってきても、借金の返済はどの支出よりも最優先に返さなければなりません。
借金は利息を除くと5万円ほど。最初の冬休みのバイト代は3万円くらいだったので全額を返済に充てることになりました。残りは進級明けの2年生の夏休みにバイトしてようやく完済にいたりました。
大切な点は、「借金をしたら自由に使えるお金は残らなくなる」という理不尽さを経験させることです。借金がなければ、自分で稼いだお金は自由にやりくりができます。
カードで買い物をすれば、翌月にカードで使った分は支払わなければなりません。給与が入っても、絶対に手を付けてはいけないお金になります。つまり、せっかく手元に収入が入ってきても、やりくりの自由さえも奪われてしまうのです。
息子は初めてのバイトで、汗水働いたお金をゆっくり味わうこともなく、親に返さなければならない“理不尽”を経験しました。
「働いても自分のお金にならないなんだね」息子はそうつぶやきました。