はじめに
失敗というリスクも負わせる
自転車の組み立てが完成できずに、借りたお金が無駄になるリスクもありましたが、それもいい経験だと考えられます。部品の注文についても、間違った発注は自分の責任だし、その分予算はかかります。だからこそ、間違えてはいけないという責任も感じてもらいたいと思います。
消費者として、生活者として、これから自立をしなければならないのですから、今のうちにできる経験も失敗も大いに有効です。
高校卒業後、進学のために奨学金を利用する学生もいます。社会人になってから給与の何割かを返済が占めることになります。また、クレジットカードをつくり、携帯料金などをクレジットカード払いにできます。
借金の返済やクレジット払いは、自分の収入のなかで一番に支出しなければならない優先順位が一番高い支出です。返すお金があれば、貯められるお金は当然減っていきますし、できないかもしれません。
何万円もする自転車代を貸すことは、500円や1,000円のおこづかいとは金額が違います。しかし、何もしなければ何もないまま。借金をするという経験は、アルバイトができる高校生だからこそ学ぶことができるお金教育です。
これからお金の姿も電子に変わり、決済の方法もどんどん便利になっていくことでしょう。お金の使い方も変わっていく時代だからこそ、生きたお金教育を経験させる機会はたくさんあってもいいのではないのでしょうか。