家族みんなの「愛している」を伝えるのが真実告知

子どもを迎えてのもう一つの関門が、真実告知でした。鎌田さんは、聡くんが4歳のときの誕生日に行いました。

「子どものころの記憶は薄れていくとはいわれていましたが、聡自身も納得感がないと人生を前向きに進められないことがあるかもしれないとも思いました。「あなたは私が生んだわけではないけれども、大切な存在なんだよ」という話の絵本を使って、自分なりにアレンジしながら伝えました。私はすごく緊張したんですが、聡は『ふうん』という調子。でも伝えたかったのは、家族みんなが聡のことを一生愛しているからね、ということだけでした。それは伝わったのではないかなと思っています」

それからも鎌田さんは、日常のシーンで少しずつ聡くんに真実を伝えています。また将来、聡くんが自分のルーツを知りたくなったときに情報を得やすいように、出身乳児院の養親サロンにも積極的に連れて行っているそうです。

「出身乳児院には担当の先生がいて、行くと必ず挨拶しに行って、聡の成長をみてもらっています。家には乳児院が作ってくださったアルバムも2冊あって、先生と聡が一緒に写っていたりもします。将来、何かで悩んだときに、いろんな方に支えられ、大切にしてもらっていたという事実が確認できるように、アルバムは常に居間に置いてあるんです」

こうした真実告知までの道のりも、鎌田さんは民間支援機関の社会福祉士にアドバイスをもらいながら行ったそうです。このような鎌田さんの体験を通していえるのは、児相を介しての特別養子縁組には、児相の職員をはじめ民間支援機関の専門職、同じ立場のママ友たち、乳児院の職員さんなど支えてくれる人と出会うチャンスがたくさんあったということです。

最後に、連載2、3回でお伝えした児相を通じての特別養子縁組のメリット、デメリットを表にまとめておきたいと思います。