はじめに

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。今回は花輪陽子氏がお答えします。

漠然と将来に対しての不安があり、投資信託を月10万円、財形を月5万円、積立保険や年金などに月10万円と積み立てていくうちに、金額が徐々に増えてしまいました。その他、自動車保険やカードで支払った交際費などが引かれると、手取り給料より引き落とし額の方が多くなってしまう月があります。上手く家計管理ができるための良い改善策があれば教えてください。ちなみに営業職で、月の給料に変動があります。


〈相談者プロフィール〉
・男性、32歳、未婚
・職業:会社員
・居住形態:実家(父と同居)
・手取りの世帯年収:1,000万円
・毎月の支出目安:50万円
・貯金:400万円
・投資:650万円
※父は72歳年金暮らしです。今は元気ですが、今後の健康状態によっては介護の世話をしなくてはいけないと思っております。


花輪: 「臨時支出がある月は赤字になる」「せっかく貯めたお金も急な出費があると取り崩してしまう」――そんな人も多いでしょう。

貯金とは別に「特別費」を設ける

家計支出が月によってデコボコするのは当たり前です。積み立てや天引きは、無理のない金額で行うことが大切です。

また、貯めたお金を取り崩さないようにするためには、「特別費」として使う分を別予算で貯めておきましょう。一年を通じて、日々の生活費以外にも次のような特別な支出があります。特に6月頃や、年末年始は特別費が多いので要注意です。

<特別費の例>
・冠婚葬祭費用
・お中元・お歳暮
・交際費(忘年会、イベントのお祝い、プレゼント)
・年賀状
・帰省代・旅行代
・住居にかかる費用
  賃貸の人は更新料、火災保険料
  持ち家の人は固定資産税
・車を持っている人は自動車税、自動車保険の支払い、車検費用など

これらの支出をざっくりと予算立てしておき、特別費の分を先に貯めておきましょう。実はこの工程を省いている方がとても多いのです。家計を守っているベテラン専業主婦の方も例外ではありません。

特別費はどうやって作る?

特別費の支払いは、特別収入(ボーナスや税金の還付など)から行うようにしましょう。ボーナスがある人は、ボーナスの半分は特別費用にとっておきます。

ボーナスがないという人は、毎月の収入から特別費の分を貯めておきましょう。その場合は、将来のための貯金は定期預金などで自動積み立てをして、特別費分の積み立ては貯蓄預金(一般に普通預金より金利が有利で、定期預金より取り崩しがしやすい)などに振り替える銀行のサービスなどを利用してもよいですね。

収入が安定しない場合の管理方法

また、営業職や自営業の場合は、月によって収入に変動があるので、余計に管理がしにくくなるでしょう。

ひと月あたりの平均収入額を出したり、最低でも稼げるラインを設定して管理をするとよいでしょう。たとえば、毎月の支出や天引き貯金は、最低でも稼げる金額の中から行います。収入が多かった月は、その分を特別費としてプールしたり、貯金をするとよいでしょう。

このようにして予算を立てて管理していくことによって、毎月の収支のデコボコを調整させていくことが可能になります。

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