はじめに

<関西編>

モミジが彩る滝を目指してプチトレッキング

箕面公園(大阪府箕面市)

梅田から阪急電車の急行を使って約30分、箕面山の麓にある箕面公園は、約84ヘクタールと広大。公園の中には、いくつかの散策ルートが整備されています。紅葉シーズンに人気なのは、公園の入口から「箕面大滝」までをつなぐ、滝道と呼ばれるコース。長さは約2.7kmです。片道40分ほどで歩け、トレッキングにちょうど良い長さになっています。

滝までは、色づいた渓流の絶景を見ながら進みます。奥へ進むにつれ、次第に紅葉する木々が多くなっていきます。最後まで歩ききると目の前に現れるのは、雄大に流れる滝(写真下)と、その脇の真っ赤なモミジ。途中には休憩スペースもあるので、無理なく歩けます。

なお、滝道は昨年より一部通行止めとなっていましたが、11月1日から一時的に通行止めが解除されます。見頃は11月中旬~12月上旬。

箕面公園
大阪府箕面市箕面公園1-18/阪急箕面線箕面駅から公園入口まで徒歩約5分/072-721-3014/入園無料/入園自由

秀吉の愛した庭で、赤と橙のグラデーションを堪能

瑞宝寺公園(兵庫県神戸市)

関西の奥座敷・有馬温泉は、豊臣秀吉が愛した温泉として知られます。有馬温泉の奥にある瑞宝寺公園も秀吉にゆかりのある公園。秀吉の隠居屋敷だった伏見桃山城の遺構を移築した山門や、秀吉が愛用したという石の碁盤が置かれています。もともとは黄檗宗(おうばくしゅう)の瑞宝寺という寺があった場所ですが、明治初期に廃寺となり、その後公園として整備されました。駅からは少し距離がありますが、温泉街の中を行けば、寄り道をしながら楽しく歩けます。

秀吉に「いくら見ていても飽きない」と評された「日暮らしの庭」をはじめ、公園全体がモミジに埋め尽くされます。場所によって色づきは異なるため、視線をずらせば、色の重なりやグラデーションが楽しめます。まさに見る者を飽きさせない景色です。11月1日(木)~11月25日(日)には「もみじ茶屋」がオープン。おでん(5種盛り500円)や甘酒(400円)、ぜんざい(500円〜)、抹茶セット(お菓子付き600円)などと一緒に紅葉を楽しむのもいいですね。見頃は11月上旬~中旬。

瑞宝寺公園
兵庫県神戸市北区有馬町瑞宝寺公園/神戸電鉄有馬線の有馬温泉駅から徒歩約20分/078-904-0708(有馬温泉観光案内所)/入園無料/入園自由(もみじ茶屋は10:00~16:00、雨天日休)

モミジに覆われた赤い世界を散策

最上山公園(兵庫県宍粟市)

最後にご紹介するのは、兵庫県の南西部・宍粟(しそう)市にある最上山公園。南北朝時代に赤松氏が築いた「篠の丸城跡」の周辺に整備された公園で、展望台や広場、遊歩道などがあります。駐車場の南に広がる、旧山崎藩陣屋町の古い町並みと合わせて、のんびり散策を楽しむのにぴったりです。

兵庫県内屈指の紅葉スポットとして知られるのは、園内南側の「もみじ山」と呼ばれるエリア。日本でよく見られる種類のモミジ約3000本に加え、世界で見られるモミジ約400本が植わっており、紅葉シーズンには燃えるように色づきます。その豪奢な美しさを求めて、毎年県内外から多くの人が訪れます。見頃は11月中旬~下旬。


写真提供:しそう森林王国観光協会

最上山公園
兵庫県宍粟市山崎町元山崎/中国自動車道山崎ICから車で約10分/0790-64-0923(兵庫県立国見の森公園内)/入園無料/入園自由

まだまだあります!関東&関西の0円紅葉公園

晩秋まで紅葉が楽しめる関東&関西の公園、いかがでしょうか。「今年はまだ紅葉を見に行っていない」という方も、まだまだ間に合いますので、お得に秋のお出かけを楽しんでみてくださいね。

<関東>
■都会のど真ん中とは思えない野性味ある広葉樹林
北の丸公園(東京都千代田区)
紅葉の見頃:11月下旬~12月上旬

■日没後のライトアップも必見の日本庭園
神奈川県立大磯城山公園(神奈川県大磯町)
紅葉の見頃:11月下旬

■樹齢100年以上のイロハカエデや樹齢70年のイチョウあり
佐倉城址公園(千葉県佐倉市)
紅葉の見頃:11月上旬~12月中旬

<関西>
■奇岩・巨岩が続く渓流が錦に染まる
摂津峡公園(大阪府高槻市)
紅葉の見頃:10月下旬~11月下旬

■落ち葉のじゅうたんと鹿が絵になる観光名所
奈良公園(奈良県奈良市)
紅葉の見頃:11月下旬~12月上旬

■平安時代の歌人たちが詠った川辺の風景
竜田公園(奈良県斑鳩町)
紅葉の見頃:11月中旬~11月下旬

文=南雲恵里香(風来堂)

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