はじめに

今年に入って、シニア層の利用が急増するなど、生活インフラの1つとして一気に利用者層が広がった感のあるフリーマーケットアプリ。その取引動向を分析することで、他の流通チャネルでは発見されにくい最新トレンドも浮かび上がってくるようになりました。

そんなフリマアプリの1つである「ラクマ」のデータから、年末のこの時期、10代の若者を中心に、取引が急激に拡大するジャンルがあることがわかりました。いったいどのジャンルで、背景にはどんな事情があるのでしょうか。


ライブ関連グッズがトップ3を席巻

ラクマ内で2018年7月3日~12月4日に取引された数の多かったカテゴリーを年代別に見てみると、10代では1位が「アイドルグッズ」、2位は「K-POP CD」、3位が「ミュージシャングッズ」となりました。実は、この3つのカテゴリーには共通する2つの要素があります。

1つは、年末にかけて取引が拡大する傾向にある点。アイドルグッズを例にとると、2018年の取引数は9月頃から増え始め、11月には前年同月の3倍の取引数を記録。12月はまだ集計がまとまっていませんが、11月を超えて年間のピークとなる見込み。K-POP CD、ミュージシャングッズも同様の傾向となるようです。

もう1つの共通項が、ライブに関連するグッズである点。アイドルグッズとはジャニーズ事務所所属アーティストの関連グッズ、K-POP CDは文字通り、K-POPアーティストの楽曲CD、ミュージシャングッズはその他のアーティストの関連グッズを指しています。これら各カテゴリー内でも、特にライブ会場などで販売されている限定グッズが目立ちます。

具体的なアイテムとしては、筆頭で挙げられるのが、ライブの定番アイテムでもある「うちわ」。続いて、ライブ会場でしか買えないものが多いという「ペンライト」。ライブ限定TシャツやライブDVDも人気だそうです。K-POPの場合は日本でメジャーデビューしていないグループも多いので、韓国で購入した商品が出品されると人気になるといいます。

ジャニーズとLDHで微妙な違いも

ただし、各カテゴリーで微妙な違いも見られます。ジャニーズのコンサートだとペンライトは必須アイテムですが、EXILEなどが所属する芸能事務所LDHのアーティストのライブではペンライトが禁止。代わりによく取引されているのが「旗」だといいます。

これらはいずれも定番アイテムですが、毎年作り替えられており、忠誠心の高いファンであることを示すには、最新のものを購入する必要があります。そのため、定番商品でありながら、毎年買い替え需要が発生するようです。

ちなみに、他にも各カテゴリーで微妙に異なるのが、イベントの呼び方。ジャニーズだと「コンサート」、K-POPは「ファンミ(ファンミーティング)」、ミュージシャン系だと「ライブ」になるそうです。

ラクマでの取引価格は2,000円前後のものが多いとのこと。ジャニーズのほうがブランディングに長けているほか、K-POPは本格的にヒットする前のグループの需要が多いため、ジャニーズのほうが単価は高めになる傾向のようです。

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