タピオカや90年代ファッションに代表される「懐古消費」に、世界大会での日本人選手の活躍で盛り上がった「スポーツ特需」……。2018年も、さまざまなジャンルでヒット商品が生まれました。

年も改まって、2019年はどんな商品がヒットしそうなのでしょうか。調べてみると、共働き世帯に恩恵の大きそうな商品が流行してきそうな兆しが見えてきました。


流行が確実な2つのトレンド

「増税前駆け込み需要」と「元年消費」――。インターネット通販大手の楽天市場でトレンド分析を担当している清水淳さんは、2019年にヒットしそうな商品として、この2つのジャンルを予測します。

前者は、10月1日に予定されている消費税率の8%から10%への引き上げを受けたもの。清水さんは「高価な耐久消費財」と「保存・保管の利く日用品」で大きな動きが見られそうだと指摘します。

前回の2014年4月の消費増税時は、増税の2ヵ月ほど前から駆け込み需要が発生。耐久消費財ではPCの売上高が前年同月に比べて2.4倍、オーブンレンジが同2.97倍に、日用品では非常食が同2.97倍、トイレットペーパーが同2.7倍になったそうです(いずれも2014年3月)。

2019年は平成最後の年であるとともに、新天皇即位に伴う改元の年でもあります。新元号の元年で日本全体がお祝いムードに包まれると、結婚や出産などのライフイベントに関連した需要も高まるといいます。

こうした流れを受けて盛り上がりが期待されるのが「元年消費」です。すでにその兆しが現れ始めていて、楽天市場での2018年9月1日~10月11日の検索数はおむつケーキが前年同期比38%増、結婚式用のドレスが同34%増となっています。

ほかにも、改元のタイミングには、年齢層が高くなるほど同窓会の開催が増える傾向があるそうです。こちらの関連需要にも盛り上がりが期待できると、清水さんは見ています。

あのヒット商品に新しい動き?

しかし、これら2つのトレンドは、2019年のトピックスを考えれば、トレンドウォッチャーでなくても予想ができそうなもの。トレンド分析を担当している清水さんだからこそ見ているヒットの兆しは「おいしい時短」です。

ヒントは、楽天市場が発表した2018年のヒット番付の中にあります。昨年のヒット番付で東西の“小結”に入ったのが「女の時産」「男の家時短」でした。このうち前者を代表する商品が、2018年1~9月の売上高が前年同期の4.87倍を記録した「自動調理器」。電動の圧力鍋で、朝に材料を入れておくと、夜には料理としてでき上っているという調理器具です。


2018年のヒット番付を発表する楽天市場の清水さん

こうした傾向を踏まえて、清水さんが2019年にヒットしそうだと見ているのが「自動調理器専用のミールキット」です。すでにスーパーやネットスーパーでは1食分の献立を調理するのに必要な食材がセットになった「ミールキット」が販売されていますが、これの自動調理器専用セットが2019年に売れそうだというのです。

背景には、2つの“高まり”があります。1つは、働き方改革などの影響を受けた時短ニーズの高まり。残業時間の削減などによって増えたプライベートの時間を、子供やパートナーと過ごすのに費やすため、“時間を生み出す時短グッズ”が求められ始めています。

もう1つが、ここ最近の環境意識の高まり。プラスチック製ストローの廃止や有名アパレルブランドの焼却問題などを受けて、食事でも廃棄ロスへのニーズが高まると清水さんは指摘します。こうした流れの中で、あらかじめ食材がカットされているミールキットの需要が一段と高まるというわけです。

働き方改革の影響などから、時間をいかに効果的に使うかが長期的な関心事となっている昨今。おいしい料理を時間の面でもおいしく作ることができれば、仕事の生産性はさらにアップしそうです。そうなれば昇給や副業においても、おいしい思いができるかもしれません。