はじめに

新年も1週間余りが過ぎ、世間のお正月気分も徐々に薄れてきました。そうした中、小売りの現場で徐々に活気づいてきているのが、節分の恵方巻商戦です。

流通大手のイオンでも、昨年12月26日から本州と四国の約400店舗とウェブで受け付けを開始しています。地域によって最大で22種類を展開するという今年のラインナップ。どんな商品で、どのような戦略を描いているのでしょうか。


カレー風味のハーフサイズを新投入

一言もしゃべらずに、太巻きの寿司を1本まるごと食べきると、その年が良い年になるとされている恵方巻。イオンでは1月29日まで予約を受け付け、2月2~3日に店頭で販売。本体価格は398~3,000円となっています(税別、以下同)。

右肩上がりで売り上げが伸びているという同社の恵方巻ですが、今年はいくつかの変更点があります。その1つが、毎年子供に人気の「ドラえもんのえほうまき」に「のび太」が加わったことです。

「ドラえもん のび太のなかよしえほうまき」(980円)は「ドラえもんのえほうまき」と「のび太のえほうまき」の2本がセットになった商品。のび太のえほうまきは、子供に人気のカレー風味のシャリでエビフライ、ポテトサラダ、玉子焼きといった具材を巻いています。


「ドラえもん のび太のなかよしえほうまき」。右側が「のび太のえほうまき」

これまではどら焼きの皮などが入ったドラえもんのえほうまきを18センチメートルのフルサイズで取り扱ってきましたが、今年は9センチメートルのハーフサイズに変更。そこにセットとして、ハーフサイズののび太を加えた格好です。

節分は家族団らんのイベントに変化

イオンはなぜ、今年の“新顔”としてのび太を選んだのでしょうか。

もともとは関西地方の風習だった恵方巻ですが、この20年ほどで全国に広がり、認知度が向上。それとともに大きくなったのが、「子供が太巻きを1本食べきるのは大変」という購入客からの声でした。こうした要望に応えたのが、今年のハーフサイズのセット販売でした。

一方で、節分の位置づけも変わってきています。本来は恵方巻を食べて無病息災を願うという趣旨でしたが、最近では家族団らんのイベントに変化。そのシンボルとなるアイテムが恵方巻というわけです。

また、日並びの影響もありそうです。2018年は2月3日の節分が土曜日だったこともあり、販売は前年に比べて2ケタ増となりました。今年は2月3日が日曜日なので、前日の2日と併せて、ファミリー需要を取り込もうという狙いも見え隠れします。

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