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戻り基調の1月株式相場、先行きはどうなる?

鍵になるのはアノ指標

日経平均株価は、昨年末に一時1万9,000円を割り込むなど大きく下落しました。年明け以降も、米アップルが業績の下方修正を発表するなどしたため不安定な値動きとなりましたが、1月2週目以降は徐々に回復基調に転じ、1月9日時点で日経平均株価は2万427.06円となっています。

2019年の株式市場は、このまま堅調に推移するのでしょうか?


広がる米中貿易戦争の影響

昨年以降の株式市場は、良くも悪くも米中貿易戦争の影響を強く受けています。昨年1月、米トランプ政権が鉄鋼・アルミニウム製品への関税引き上げを発表すると、日本企業を含めた鉄鋼・アルミニウム関連企業の株価はいち早く下落していきました。

その後、トランプ政権は中国のハイテク関連企業に対する圧力を強め、知的財産保護を目的とした中国製品に対する追加関税などを発表しましたが、日本企業でも中国向けにハイテク製造装置を多く輸出する企業の株式が売られるなど、個別銘柄では既に大きく影響を受けているものもあります。

このような影響は、マクロ的に見ても世界に広がりつつあります。下のグラフは、2018年における各国・地域の製造業景況感指数を並べたものです。

米中貿易戦争の当事国である中国では、昨年の夏以降、アメリカの関税引き上げに対する警戒感からいち早く製造業PMIが低下に転じ、2018年12月は49.4と、景気の拡大・後退の分岐点である50を割り込む状況となりました。

一方のアメリカ側は、トランプ政権が実施した法人税減税などもあり、2018年11月の時点でも59.3と、引き続き強い数値を維持していました。しかしながら、12月の値は54.1と、前月比で5.2ポイントのマイナスとなり、下げ幅は金融危機直後の2008年10月以来で最大となっています。9月に発動した2000億ドルの追加関税や、中国経済減速の影響を受けた原油安が大きく影響していると考えられます。

株価の先行きはどうなる?

このように、製造業においては米中貿易戦争の影響がアメリカ側でも確認されるまで広がってきました。一方で、1月4日に発表された12月の米雇用統計では、平均時給が前年比で3.2%上昇するなど、雇用関連の指標は強いものとなっています。現時点で世界経済はまだら模様な状況であり、今後も株式市場は、経済指標に一喜一憂する振れ幅の大きな展開が予想されます。

米中間では、2月末までに知的財産権保護や中国の構造改革を巡る交渉が行われ、合意に至らなければ更に2,000億ドルの追加関税が発動されます。日本の株式市場も割安感から買い戻される展開が続きそうですが、米中間の交渉次第では再び大きく売り込まれる可能性もあるため、引き続き注意が必要な局面と言えるでしょう。

<文:シニアマーケットアナリスト 窪田朋一郎>

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