生活

先取り貯蓄、貯まる人と貯まらない人の違いはどこにある?

FPの家計相談シリーズ

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。今回は横山光昭氏がお答えします。

お金を貯めようと先取り貯蓄を始めたのですが、全然貯まりません。そろそろきちんとお金を貯めなくてはいけないと思い、半年ほど前に本を読んで勉強し、家計簿をつけながら先取り貯蓄を始めました。自分自身ではがんばっていると思っているのですが、貯蓄を先取りしてしまうと、生活費が足りなくなることが多く、ボーナスを回して暮らしています。それでも毎月8万円貯まっているのならいいかと思っていたのですが、固定資産税などの臨時支出を払うと、気が付いた時にはなくなっています。ですから、貯蓄は160万円から一向に増えません。毎月の生活費はがんばっていると思うのですが、どのようにしていくとよいでしょうか。


〈相談者プロフィール〉
・女性、35歳、既婚(夫:42歳・会社員)、子供(4歳)
・職業:パート
・手取り世帯月収:29.5万円
 夫:26.4万円
 妻:3.1万円 
・手取り年間ボーナス:夫90万円
・預貯金:160万円
・毎月の先取り貯蓄額:8万円


【支出の内訳(29万円)】
・住居費:8.1万円(家賃と管理費)
・食費:3.5万円
・水道光熱費:2万円
・通信費:1.2万円
・生命保険料:3.3万円(結婚当時のまま)
・日用品代:0.9万円
・教育費:5.2万円
・小遣い:夫1.5万円
・その他:3.3万円


横山: ご相談ありがとうございます。先取り貯蓄は、家計状況をしっかり見て金額を決めないと、単なる「貯蓄したつもり」で終わってしまいがちです。貯蓄をしているという満足感はあるのかもしれませんが、もしかすると貯蓄した分を回しながら生活をしているだけになっているのかもしれません。生活費の不足をどう補っているのか、今一度冷静に見てみることが必要です。

黒字は5000円しかないのに8万円を貯蓄に回す

ご夫婦合わせて29万5000円の収入で、うち8万円を先取り貯蓄にしているのですから、毎月の生活費は21万5000円に収めないといけません。しかし、生活費は29万円かかっています。つまり、平均的に7万5000円ほど赤字が出る暮らしであるということが分かります。

この赤字は1年間で90万円にもなります。ボーナスから補填といいますが、家計の補填をしたらボーナスは残りません。そのため、毎月の家計から支払わず、年1回支払わなければならないものや、家具家電の買い替え、ご主人のスーツ代など、本当ならボーナスを当てにして支払いたいことにお金を使えません。ただ、払わないわけにはいかないものもあるので、手元にあるお金から払ってしまう。そのお金が、先取り貯蓄です。つまり、貯めているつもりでも、巡り巡って支払いに使うお金になってしまっているので、お金が貯まらないのです。

このやりくりの仕方は非常にわかりにくいと思います。少しお金の流れを簡単にして考えてみましょう。たとえば、毎月の収入から毎月の支出を引くと、5000円の黒字です。そして、ボーナスの90万円は、年数回の臨時支出に充てられます。本当はこのような流れなのに、間に「先取り貯蓄」を挟むことで難しくしてしまっています。5000円しかない黒字に無理をさせ、毎月8万円も貯蓄に回してしまったので、お金の管理が複雑になってしまったのだと思います。そのため、「貯蓄しているはず」という思いだけが残り、支出しすぎていることに気が付けなかったのではなないでしょうか。

まずは、貯蓄しているつもりでお金を回していただけの現状を、しっかりと認識してください。

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