はじめに
読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナー(FP)が答えるFPの相談シリーズ。今回は読者の家計の悩みにプロのFPとして活躍する深野康彦(ふかの・やすひこ)氏がお答えします。
実は、僕は毎月の収入が10万円程度しかないうえに、貯金もありません。そのため、ひと月数万円台で生活しなければならないはずなのですが、12万円程度の支出がある月が多く、結果的にリサイクルショップや質屋などを活用して生活しているのが現状です。
また、病気がちで、ひと月の収入をこれ以上増やせません。通常であれば必然的に支出を削ることになると思うのですが、どこから手をつけたらよいのかわかりません。毎月の収支が10万円前後の場合にできる、無理のない節約方法などをアドバイスいただければ幸いです。
(30代前半 独身 男性)
深野: ご病気がちであると質問に書かれていますが、家計もさることながら体調を管理することを最優先に物事を考えられるようにしてください。体調が良好な状態になられてから、収入を増やすことを考えるようにしましょう。
ご質問は無理のない節約方法ですが、節約で一番簡単な方法は、食費、水道光熱費、通信費などを一律10%などのようにカットすることです。
メリハリをつけた家計管理を
しかし、支出を一律カットする方法だと長続きする人は意外と少ないようです。そこで、支出にメリハリをつけて家計を管理するようにしましょう。
支出の項目のうち、ゆずれない項目があれば、その項目は現状維持に。あるいはカットするにしても、ごくわずかにしましょう。その分、ほかの項目でカットしてもかまわない項目を少し多めにカットするのです。
このやり方であれば、最後の砦と考えるゆずれない部分にほとんど手をつけていないことになるため、ストレスをあまり貯めることなく節約を続けることができるはずです。
あるいは、毎月の収入から1,000円でもよいですから、もらったらすぐに貯金をしてしまうことです。先に貯金をしてしまい、残ったお金でやり繰りをして生活していくのです。最初は大変かもしれませんが、何ヵ月か経過するうちに残ったお金でやり繰りができるようになるでしょう。
ただ病気がちであることを考えると食費をカットすることには賛成いたしかねます。
節約することより健康であることを大切に
節約をするのは家計管理にとって大切なことですが、それよりも健康であることがもっと大切なことです。
節約した結果、体調を崩してしまうのは本末転倒です。なにをやるにしても、常に体調、健康が最優先されることだけは忘れないでください。
ご質問からは病名や症状などをうかがい知ることはできませんが、公的な補助等を受けることはできないのでしょうか。あるいは、一人住まいであるならば、親と同居して生活することもひとつの選択肢と考える必要があるのかもしれません。くれぐれも体調管理を怠らないようお気をつけください。