はじめに

改めて、インフルエンザワクチンの効用とは?

予防接種によって、罹患リスクが低減されるほか、重症化や合併症を防ぐことができると言われています。また、子どもの接種率が上がると、高齢者のインフルエンザを起因とする死亡が減るといった研究もあり2、自分の罹患リスクや重症化リスクを下げるだけでなく、周囲の人への感染を防ぐ効果もあります。

予防接種のワクチンの中には不活性化されたウイルスを含んでいるため、期待する免疫反応以外の生体反応として熱や発疹、その他の好ましくない反応(副反応)が出ることがあります。しかし、予防接種は、自然に感染症に罹患した場合の症状に比べ、接種したときの副反応の方が軽微で済む点がメリットです。

かつては、多くの地域で児童を対象としてインフルエンザの集団接種が行われていましたが、1994年の改正で定期予防接種対象から除外され、個人の判断で接種する任意予防接種となりました。

任意接種になったことにより、予防接種実施率が低下し、高齢者における集団感染や、重篤化の事例が続いたことから、2001年以降は65歳以上の高齢者と、60~64 歳の慢性高度心・腎呼吸器機能等不全者は、定期予防接種の対象となり、接種率は、2001年当初は3割弱だったのが、現在では5割程度にまで上がりました3

それでも、65歳以上の接種率は、韓国では8割以上、イギリス、アメリカでは7割程度4であることや、65歳未満の成人では、今でも接種率が3割弱5、子どもでも6割程度6ということですから、まだまだ接種率は低いと言えそうです。

1.国立感染症研究所では、全国約5,000の医療機関で1週間に受診した患者数を調査し、1医療機関あたりの患者数を流行の目安にしています。
2. T.A. REICHERT他「日本におけるインフルエンザワクチン学童接種の経験」The New England Journal of Medicine日本語アブストラクト、2001年
3.厚生労働省「定期の予防接種実施者数」より。対象は、定期予防接種対象者。
4.OECD Health Statistics: Health care utilisationより
5.日経メディカル「働く世代のインフルエンザ予防接種をする理由、しない理由」
6.「全例観察による小中学校における2014/2015シーズンのインフルエンザ流行状況,ワクチン接種率および有効率」慶應保健研究,2017

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