はじめに
災害を想定して備えていることは?
では、災害が発生したことを想定してどんなことに備えているのか。「仕事でご自身が外出中に災害が発生した場合を想定して、あらかじめ備えていることはありますか?」という質問への結果は以下です。
有効回答数713人
「特に備えはしていない」を選んだ人は16.7%にとどまります。8割以上の人は、何らかの備えをしているようです。仕事選びで気になるポイントを尋ねた際も、「災害を想定することはない」を選んだ人は3.8%にとどまりました。
備えていることとして一番多かったのは、「飲料水や食料を貯蔵している」で52.7%。その他、「家族全員が携帯電話などの連絡手段を持っている」「防災グッズを準備している」「家族と集合場所を決めている」「家族全員がLINEなどSNSのアカウントを持っている」が30%を超えました。
災害を考慮したくてもできない理由
ほとんどの人が仕事選びの際に災害を意識しているのに対し、最初に見たグラフでは、仕事選びで災害発生を「考慮する」と回答した人が56.7%だったというのは少ないようにも思えます。
仕事選びで災害発生を「考慮しない」と答えた人はどのように考えているのでしょうか。フリーコメントには、以下の声が寄せられました。
「わかっていても 後回しにしている(50代:派遣社員)」「そんなこと言ってる場合じゃない。とにかく仕事を見つけたい(40代:パート/アルバイト)」「災害のことまで考えると、仕事の選択肢は極端に狭まると思う(50代:今は働いていない)」
自分自身の命や家族の安全にかかわる問題であり、ほとんどの人が災害を意識しているにもかかわらず、まだまだ仕事の選択肢が十分ではないために、優先順位を下げざるを得ないジレンマが生じてしまっているようです。
仕事中の災害にどう向き合うか
「災害は事故のようなもの。そこを前提にして考える必要は無いように思います(50代:今は働いていない)」
様々な制約がある中で仕事を選ぶ訳ですから、そのように割り切ることも時には必要かもしれません。しかし、仮に仕事を選ぶ時点では災害に対する配慮が十分に行えなかったとしても、仕事に就いた後にできる対策もあるはずです。
「職場から徒歩で帰宅するルートを確認している(40代:公務員/団体職員)」「マップのコピーを持ち歩いている(40代:正社員)」「地域の防災訓練に参加(40代:今は働いていない)」など、それぞれのご家庭で意識的に取り組んでいることもあるようです。
「前質問で考慮しないと答えましたが、実際のところはちゃんと考えて行動しないといけないとこのアンケートを通して感じたので、これからは視野に入れながら転職をしようとおもいます(30代:今は働いていない)」
通勤時間も含めると、仕事で家を空けている時間は思いのほか長いものです。フリーコメントには在宅勤務の充実を求める声もありました。災害は発生しないに越したことはありませんが、「備えあれば患いなし」という言葉もあります。この記事が、もしものための備えについて考えるきっかけとなれば幸いです。