はじめに

背景にある無糖飲料市場の伸び

日本コカ・コーラでは、水を買って飲むという新たな生活習慣を「第1の波」、透明なのにフルーツの味が楽しめるフレーバーウォーターの活況時代を「第2の波」とし、今回投入する「い・ろ・は・す 天然水にれもん」の無糖フレーバーウォーターを「第3の波」と位置づけます。その背景には「甘みのない、後味がすっきりしたものがほしい」という無糖飲料ニーズの高まりがあります。

図1

市場調査会社のインテージによると、炭酸水の国内市場規模は毎年2ケタ増に匹敵する伸長を示し、2018年は283億円と前年比23%増となりました。これは4年前の6割増しで、ミネラルウォーター類市場の4分の1を担うまで成長しています。

同社では無糖飲料市場のニーズの高まりについて、「他のカテゴリーでも、甘さ控えめ、甘さなし、あるいはスッキリ感を前面に出す商品が増えており、“ナチュラル、自然感、健康”を重視するトレンドがあるように思われます」「近頃の異常気象による猛暑・乾燥対策などで水分補給が重視される点においても、必要以上の甘さは敬遠される傾向にあるものと考えられます。こうしたことから、この無糖飲料市場は今後も拡大を続けていくものと想定されます」と分析しています。


左から通常の「い・ろ・は・す」「天然水にれもん」「くだものシリーズ」

富重グループマネジャーも「炭酸水が昨年爆発的に伸びたのも、甘いものから甘くないものへの消費者のシフトが起こっているから」と指摘。そのうえで、健康志向の高まりもあって、このタイミングでの同製品の発売に至ったと明かします。

また、ネーミングについて当初は「天然水にれもん」ではなく、「れもんと天然水」も候補にあったそう。しかし、それでは消費者が甘いフレーバーを想像してしまう。新しいカテゴリを提供する際に、名前の初めに天然水が来ないと想像しづらいと、消費者への調査を通じてブラッシュアップしていった経緯があるといいます。甘くないフレーバーウォーターのカテゴリは定着していくでしょうか。

<文:編集部 小島和紘>

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