はじめに
日経平均株価は2018年10月に 2万4,448円と、1991年11月以来、約27年ぶりとなる高値を付けました。そこから2018年12月安値1万8,948円まで調整した後、足元は反発局面が継続しています。今後どこまで戻るのか、すでに底値は形成しているのか、投資初心者では判断がつきづらい状況です。
しかし、足元のような状況においても、トレンドや移動平均線、そしてサイクルの考え方を活用したテクニカル分析を用いれば、重要な下値メドや戻り高値のメドを予測することが可能です。
日経平均で注目すべき4つのポイント
下図は、日経平均の2005年1月から2019年4月9日までの月足チャートです。注目ポイントは4つあります。
まずは、注目ポイント(1)の丸で囲っている部分を見て下さい。この局面では、2007年2月以降、米国でサブプライムローン問題が表面化し、株価の下落が続いていましたが、2008年3月にJPモルガンがベアスターンズ証券を救済したことで、いったん割り込んだ60ヵ月移動平均線を回復しました。
しかしその後、2008年9月にリーマンブラザーズが連邦破産法11条の適用を受けて破綻した影響から、同年10月安値まで下落。再び60ヵ月移動平均線を割り込んだことで、長期トレンドが下落、あるいは横ばいトレンドに転換したと考えられるようになりました。
その後、世界的に金融緩和が進行しましたが、日本銀行は金融緩和を推し進めなかったことや東日本大震災後の復興増税の影響もあり、相対的に為替相場が大きく上昇。2011年10月に1ドル=75円台の高値を形成しました。
60ヵ月平均線が強力な下値支持に
そうした中で、2012年12月の衆議院選挙で政権交代が起き、第2次安倍晋三内閣が発足。上図の注目ポイント(2)は、重要な上値抵抗線となっていた60ヵ月移動平均線を日経平均の終値が上回った局面で、トレンドが大転換した重要ポイントを表しています。
注目ポイント(3)は、60ヵ月移動平均線の方向性が明確に上向きの長期上昇トレンドが形成されている中で、2016年2月の安値と2018年12月の安値の2回が“押し目”を形成している局面と考えることができます。つまり、終値がこの移動平均線を割り込まない限り、長期的な上昇トレンドは継続すると考えられます。
最後は注目ポイント(4)です。2007年2月以降、平均的な43ヵ月サイクルが日経平均の重要な高値や安値の節目で到来していることが確認されています。したがって、2018年12月安値が移動平均線とサイクルのボトム形成の両面で、当面の安値を形成したことを示している可能性が高いとみられます。
今後は、上値抵抗線となっている24ヵ月移動平均線を回復し、戻りを試す相場展開が期待されます。