近代の文化・芸術にも大きな影響

リヨンはボキューズ氏以外にも多くの著名人を輩出しています。「いちばん大切なことは、目に見えないんだ……」。日本におけるフランス語学習の教科書としても使用されている『星の王子さま』を書いたサン・テグジュペリもリヨン生まれ。欧州最大級の広さとされるベルクール広場には、サン・テグジュペリと王子様の像が飾られています。

「映画発祥の地」としても知られるリヨン。「映画の父」として歴史に名を残すリュミエール兄弟もまた、リヨンの出身です。市内にある「リュミエール博物館」には、2人が発明した撮影機能付きの世界初の複合映写機「シネマトグラフ」が展示されています。

シネマトグラフ
世界初の複合映写機「シネマトグラフ」

シネマトグラフで撮影した世界最初の実写映画が、1895年に公開された「工場の出口」と呼ばれる作品。博物館が建てられる前にあった工場から労働者が次々と出てくる姿を描いたものです。

シネマトグラフの発明は、リヨンが19世紀に絹織物工業の中心として発展を遂げたことと関係があります。シネマトグラフはミシンの仕組みを応用したものなのです。博物館ではもちろん、「工場の出口」のほかにもリュミエール兄弟が手掛けた数多の名作を観賞することができます。

今年はスポーツでも大注目

リヨンの観光関連業界の期待するスポーツの一大イベントが今夏、フランスで開かれます。女子サッカーのワールドカップ(W杯)です。同大会には「なでしこジャパン」をはじめ24ヵ国が参加。6月7日の開幕戦から1ヵ月にわたって熱戦が繰り広げられます。

準決勝2試合と決勝戦が行われるのはリヨンの「スタッド・ド・リヨン」。フランスサッカーのリーグ・アン(1部)に所属するチーム、オランピック・リヨネの本拠地です。

男子サッカーのフランスチームは2018年のW杯で見事に優勝を果たしましたが、女子も世界の強豪の一角に名を連ねています。「捕らぬ狸の皮算用」。業界関係者はフランスチームが激闘を勝ち抜き、決勝の舞台でも躍動する姿に思いを馳せていることでしょう。

リヨンには日本からの直行便がありません。パリから「フランスの新幹線」といわれる高速列車のTGVで約2時間。長い時間をかけて到着すれば、そこはあたかもパリと別の世界。暮らす人々はなんとなく穏やか。ゆったりとした時の流れを感じさせてくれる場所でもあります。