はじめに

集中力を創って稼ぐ

繰り返しになりますが、社長の仕事は作業ではなく、収益を生み出す仕組みを育てることです。新規顧客開拓、新たなビジネスを立ち上げることです。こうした仕事はすでに前例のあるものを正確に行うのではなく、新たな新天地を開拓するわけですから、クリエイティビティと集中力を必要とします。

マルチにいろいろと並行処理が求められる現在は、歴史上類を見ない「集中しづらい時代」といえるのではないでしょうか。スマートフォンがあり、インターネットが常時接続で、情報もテクノロジーの進化も著しい今だからこそ、集中力を確保して新たな価値を創出する必要があります。

そのためには、集中力を意識的に創るという発想が重要です。お金持ちが仕事を他の人に任せているのは、この集中力を購入している行為に他なりません。

そういう意味で、デキる人ほど経費をかけて集中タイムを購入し、その時間でさらなる収益源を磨くというわけです。

意思決定をしないことで集中力を確保

利益を生み出す集中力を阻害する最大の敵は「付加価値の小さい意思決定」です。

人間の脳は意思決定をすることで、疲労することが明らかになっています。「前頭葉は脳の社長」と呼ばれており、「やるかやらないか?どれにするか?」という意思決定をこなすごとに前頭葉は疲労していきます。前頭葉の疲労から集中力を守るためには、「ルーチンワークに落とし込む」のが良いとされています。

世界の成功者たちは毎日同じ服を着る、という面白いエピソードがあります。意識的か、無意識かは定かではありませんが、フェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEO(最高経営責任者)やアップルのスティーブ・ジョブズ元CEOは、同じ服を着ることで「決定疲れ」を回避していました。

本来、自分がやらなくても務まる小さな仕事をすることで、無数の意思決定で脳が疲労し、クリエイティビティが失われます。それを回避するためには、無意識的にこなして集中力を確保することが重要です。

服選びもそうですし、毎日の仕事の進め方もそうです。筆者の知人の年収億超え社長たちを見ていると、3年、5年、10年という単位で同じライフスタイルを送り、収益や顧客だけはドンドン増やしています。お金持ちと集中力、これはものすごく密接な関係があるのです。


年収1億円超の起業家・投資家・自由業そしてサラリーマンが大切にしている習慣 黒坂岳央 著


「クリスマスに中華を食べる」「飲み会は16時開始」「大型契約の前に映画鑑賞」――。誰でもできる、でも実は99%の人はやっていない、成功者に共通する「シンプルな考え方&ルール」を大公開。

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