はじめに
進化し続ける変わり種ギフト
もう1つのキーワードは「多様化」。これまでのようなカーネーションを中心とした生花を贈るのではなく、“進化形フラワーギフト”とも呼ぶべき新種のプレゼントが出てきています。
たとえば、花のブーケをそのまま食べているような感覚を持つ「スイーツブーケ」がその一例です。楽天市場での3月の検索数は1月に比べて約4倍に増加。SNS映えする見た目が人気の理由になっているようです。
SNS映えする見た目が人気の「スイーツブーケ」
また、同じく3月の検索数が1年前の約190倍にまで拡大したのが「桜盆栽」。開花時期を調整して、母の日がある5月に満開になるよう工夫された商品になっています。
しかし、これら以上に今年の注目となっているのが、ドライフラワーをオシャレにあしらった「スワッグ」という商品。手入れの必要がないことなどが受け、検索数は1年前の約330倍にまで膨れ上がっています。
検索数が急増している「スワッグ」
これまで、ドライフラワーは“枯れている花”として、贈り物の現場ではどうしても敬遠されてきました。その結果としてプリザーブドフラワーやハーバリウムが人気になってきたわけですが、近年はインテリアショップなどでスワッグがディスプレーされるようになり、徐々に受け入れられるようになってきたといいます。
定番ギフトを贈る際の注意点は?
もちろん、こうした変わり種ギフトばかりではなく、定番商品である生花の人気も健在です。生花を贈る際の注意点には、どのようなものがあるのでしょうか。
日比谷花壇の古谷朋未さんによると、生花を贈る際の心構えとして、相手の生活スタイルや好みを踏まえることが望ましいといいます。具体的には、ガーデニングが好きな母親であれば鉢植えの花、仕事が忙しい母親であれば花束が好まれる、という具合です。
また、実母と義母、両方にプレゼントを贈る場合、価格帯は同じ水準にそろえておくのがベターだといいます。母の日に関する実母と義母の会話の中で、それぞれのギフトの価格が把握されてしまう可能性もあるからです。
ほかにも、白いカーネーションや菊は仏供をイメージされてしまう懸念があります。しかし、最近は和風のアレンジも人気になっているため、事前の贈りたい花の写真を先方に送ってみるのも手だといいます。
定番のカーネーションを贈る場合は、手入れの方法をメッセージカードなどに書いて添えるとベスト。つぼみを間引いたほうが花を長く楽しめるなどのアドバイスを書いておくと、母の日ギフトが今後のコミュニケーションの潤滑剤になってくれるかもしれません。