はじめに
バターロールの中にマーガリンを詰めるという画期的な商品であり、今ではすっかり食卓の定番になっている、フジパンの「ネオバターロール」。
そのまま食べても美味しいけれど、温めたときに、中のマーガリンがトロッと溶け出す魅力は、やっぱり格別です。しかし、実は一つだけ困った点があります。
それは、温めると、中のマーガリンが溶けて、食べるときにこぼれ落ちてしまうこと。ロールパンにマーガリンを注入した穴をなんとか見つけようとするものの、なかなか見つからず、一か八かで食べてみると、結果的に無事こぼれずに食べられるときと、失敗してこぼれ落ちるときとが、体感的には半々くらいという印象です。
どこからマーガリンを注入したのか全くわからないほど精巧に作られている、その技術力には恐れ入りますが、その一方で「もう少し穴がわかりやすくてもいいんじゃないか」という気もしてきます。なんなら、穴のあるほうに目印の焼き印などつけてもらってもいいと、個人的には思うくらいです。
なぜこんなにも穴のありかがわかりにくいのか。そして、どうやって見つけたらいいのか。フジパンのマーケティング担当者に聞いてみました。
「企業秘密」が穴の見つけにくさの原因
「『ネオバターロール』シリーズでは、縦長のロールパンの場合、辺の部分ではなく、とがっている先端部分にマーガリンを注入することになっています。穴は目で見て、頑張って見つけてもらうしかないと思います」
ネオバターロールのマーガリンの具体的な注入方法は、「企業秘密」にあたる部分。ただ、基本的にはパンを焼き上げた後に、冷めきった状態で、ごく細いノズルを突き刺し、その中をマーガリンが通っていく方法で注入されるそうです。
ちなみに、ホイップクリームなどを注入するパンの場合は、もっと注入される際の穴が大きく、見つけやすいとか。ネオバターロールの場合は、マーガリンがこぼれ出ないように、できるだけ傷をつけないように作っているため、穴はどうしても見つけにくいそう。SNSでも「穴がわからない」「マーガリンをこぼした」などのコメントが多数寄せられているといいます。
マーガリンを注入した穴はどこに?