はじめに
読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。
今回の相談者は、奨学金や自動車ローンを毎月5万円返済している30代夫婦。妻の復職後に、繰り上げ返済でローンを終わらせてマイホームを購入したいといいますが……。マネーフォワードから生まれたお金の相談窓口『mirai talk』のFPがお答えします。
主人がこれまで勤めていた全国転勤のある会社を退職し、地場の企業へ転職しました。これを機に近い将来、家を持ちたいと考えています。子供たちが伸び伸び暮らせて、将来、私達夫婦が万が一早めにリタイアすることになっても住む場所に困らないのであれば、中古の物件でも構わないです。ただ現時点では、主人が転職したばかりで、車のローンや奨学金の支払いも毎月5万円程度あることを考えると、最低数年は準備期間を設けたいです。車のローンと奨学金は概ね5年以内に完済したいと思っています。現在、私は二人目の育児休暇中ですが、再来月から復職する予定なので、家計が安定したら繰り上げ返済も考えています。また幼保無償化のため、近いうちに保育料もかからなくなる見通しです。住宅購入は何年後がいいのでしょうか。
〈相談者プロフィール〉
・女性、32歳、既婚(夫:29歳、会社員)、子供2人(1歳、5歳)
・職業:会社員(60歳定年)
・居住形態:賃貸
・毎月の世帯の手取り金額:38~39万円
・年間の世帯の手取りボーナス額:70万円
・毎月の世帯の支出目安:35万円
【資産状況】
・毎月の貯蓄額:2万円
・現在の貯蓄総額:150万円
・現在の投資総額:なし
・現在の負債総額:350万円
・第一種奨学金残債:80万円
・第二種奨学金残債:170万円(利率1.4%)
・自動車ローン残債:100万円(利率2.5%)
【支出の内訳(35.3万円)】
・住居費:7万円
・保険:3.6万円
・教育費:2.5万円
・通信費:1万円
・自動車:3.7万円
・食費:5万円
・水道光熱費:1.5万円
・お小遣い:4万円
・その他:7万円
FP: ご相談ありがとうございます。mirai talkファイナンシャルプランナーの福田です。住宅購入のタイミングについてですね。現状では借り入れもあり、頭金の金額も十分ではないようですので、まずは現在のご状況を整理してみましょう。
無理して「今ある貯蓄から繰り上げ返済」は禁物
奨学金と自動車ローンを抱えながらお金を貯めることは、難しいことです。この分を早く貯蓄に回せるよう、返済は優先順位を決めて進めていきましょう。
第二種奨学金は利息がかかっていますし、自動車ローンにも奨学金以上の利息がかかっています。相談者さんが復職されて収入が安定したら繰り上げ返済をするのがいいかと思います。その場合、それぞれの残債を少しずつ減らすのではなく、金利が高いものから順に完済をしていくことが望ましいです。余計な利息は少しでもなくなくして、固定支出を減らして貯蓄へまわしていきましょう。
ただ、貯蓄をしやすくするために無理をして、今ある貯蓄から繰り上げ返済をする必要はありません。あくまで収入が増えて繰り上げ返済するお金を作ることができたら、ということですので生活を守るお金はしっかり備えておきましょう。