はじめに

「子どもの時におこづかい帳を付けたことがある」という人は結構いらっしゃると思います。それでは、その後のおこづかい帳はどうなりましたか?

「一度はおこづかい帳を付けてみたものの、いつの間にか止めてしまった」とか、「中学までは続けていた」「今でも付けている」などなど、「おこづかい帳のその後」はその人それぞれの歴史を持っているものなのです。

私が主催したお金教育に関する講座に参加された保護者に、「おこづかいを中止した理由(以前はおこづかいを子どもに渡していたが今はしていない)」を伺っていました。そのなかでかなりの割合が高かったのは、「おこづかい帳を付けなくなったのでおこづかいを渡すのを止めた」という回答でした。私も子どもの頃、おこづかい帳を2か月くらいで付けなくなった経験者です。

しかし、おこづかい帳を付けていないから、おこづかいを渡さないというのは、子どもがお金に触れる経験が減ってしまうことになります。これは勿体ないなぁと感じています。

おこづかい帳はお金の残高を把握し、使い方を振り返ることで自分の消費行動を知ることができます。今回はおこづかい帳の選び方と長続きのコツをお伝えします。


「通帳式」がおすすめ

それなら、どんなおこづかい帳がいいのか。これは家計簿を付ける大人にも同じことが言えると思います。「簡単でシンプル」が長続きのコツです。

たとえば、銀行の通帳を家計簿代わりにしている人もいると思います。引き出した金額の横に使途を記入しておけば最低限の備忘録として活用できます。しかも、通帳は記帳するページがなくなるまで使用し続けることができます。長続きを目指すにはこのぐらいシンプルなほうがいいでしょう。

私も小学生の頃に、学校近くの文房具屋さん(今は少なくなりましたね)におこづかい帳を買いに行った経験があります。私が買ったおこづかい帳は、出納帳のような形式のものでした。

表紙は、大学ノートっぽくて、中身は、薄い青い線と赤い線が使われており、おこづかい帳なのに、「お勉強」をするような気分にちょっと優越感を感じたのを覚えています。そんなやる気をもたらしてくれた私のおこづかい帳ですが、2か月を過ぎた頃から、面倒で付けなくなっていました。
そのおこづかい帳の記帳の方法は、毎月ある作業があったのです。月末に残高を一旦締めて次月のページにそれを繰越金として記入するというものです。

正直、「おこづかい帳ってこうやって付けるものなんだ♪」という根拠のない納得をした記憶があります。そもそもおこづかい帳とはどういうものかをわかっていませんでした。

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