はじめに

本屋に行けば、ズラリと平積みされるビジネス本。何か読もうと思いながらも、選べないまま本を買わず、今日もダラダラとスマホを見ている、という人も多いのではないでしょうか。

しかし、ベンチャーやスタートアップの経営者は、忙しい中でも驚くほど読書をしています。そんな彼らが若手ビジネスパーソンに薦めたい本だけを集めた「推し本カフェ」が、6月17日までの日程で、渋谷のブックカフェ「BOOK LAB TOKYO」で開催中です。

いったいどんな企画なのでしょうか。実際に体験してみました。


「リアルな本屋に置いたら面白そう」

「社内の若手に読書をしてもらいたいが、何を読めばいいのかわからないという声がありました。いろいろな会社の社長さんに本をキュレーションしてもらい、ネット上ではなくてリアルな本屋に置いたら面白そうと思った」

こう話すのは、「ベンチャー経営者100人が選ぶ“推し本”CAFE」を発案した、プロモーション会社「On’yomi(オンヨミ)」の大宮英嗣代表。今回の企画は、同社と、本の要約サイトを運営する「フライヤー」が共同主催したものです。

文化庁のデータによると、1ヵ月に1冊も本を読まない人は日本人全体の47.6%に上るそうです。しかし、昔からの名著と言われるビジネス書や小説には、ビジネスに生かせる知恵や考え方が詰まったものがたくさんあります。

自らも読書好きというフライヤーの大賀康史CEO(最高経営責任者)は、「実は経営者はすごく本を読んでいる。本から得た知識は、さまざまなチャレンジを支えてくれたり、迷った時に選択の拠り所になったりする」と語ります。

どんな本が選ばれたのか

そこで今回の企画では、ベンチャー、スタートアップ企業の経営者ら108人に、若手ビジネスパーソンに紹介したい本を1人3冊まで選んでもらい、コメントとともに紹介。「HR」「マーケティング」「Tech」「金融・不動産」など選者を7ジャンルに分け、自分と近い業種の人を見つけられるようにしました。


「HR」ジャンルのコーナー

会場には熱いコメントが並びます。サイボウズの青野慶久社長は『ティール組織――マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現』(フレデリック・ラルー著)を紹介。「上下関係も売上目標もないのに、働く人が活き活きする新しい組織が登場しています。21世紀の組織の在り方を指し示す一冊です」と薦めました。

スペースマーケットの重松大輔社長は『人生は、運より実力よりも「勘違いさせる力』で決まっている』(ふろむだ著)をお勧め。「実力だけではなくて自分の運や錯覚資産(相手が自分に抱いている自分にとって都合の良い錯覚)も実は大事。なかなか学校でも会社でも教えてくれない社会人の本質が心理学的見地から書かれている良書」と絶賛しています。

[PR]NISAやiDeCoの次は何やる?お金の専門家が教える、今実践すべきマネー対策をご紹介