はじめに

近年、日本でもサイバー攻撃による被害が増えています。個人、企業、官公庁・自治体など幅広い分野で情報セキュリティへの需要が高まり、国内の情報セキュリティ市場の拡大が続いています。

今後訪れるモバイルの次世代通信規格「5G」の社会では、従来よりも大量のデータが飛び交うとされており、情報セキュリティの重要性が高まりそうです。そこで今回は、5G社会で重要性が増す情報セキュリティ分野と関連銘柄を紹介します。


拡大する情報セキュリティ市場

世界中でサイバー攻撃が日常的なものになりつつあります。サイバー攻撃とは、インターネットなどのネットワーク上で破壊行為を行い、データの破壊や改竄、情報漏洩、ネットワーク停止など、個人や企業の活動から国家の社会機能にまで深刻な打撃を与える悪質な行為のことです。

サイバー攻撃が増えている背景には、

(1)スマートフォンやタブレット端末などインターネットにつながる端末が増加したこと
(2)インターネットを使って業務を行うクラウドの利用が増加したこと
(3)さまざまなモノがインターネットにつながる「IoT」が登場したこと

などが挙げられます。

5G社会の到来で重要性が増す情報セキュリティ

5Gは日本では2020年から正式にサービスが始まる予定です。5Gの通信環境では、現行の4GLTEと比較し、同時に接続出来る端末の数は100倍以上に増加し、データの伝送遅延がほとんどなくなると言われています。

5GはIoTに適した通信環境であるため、通信機能が搭載された自動運転車や工場オートメーション(FA)機器といった、IoTの技術を利用する製品やサービスの開発が加速しそうです。

その一方で、たとえば自動運転車を悪意のある第三者がハッキングをし、走行中にハンドルやブレーキを遠隔操作すれば、人命にかかわる事態が想定されます。工場の制御システムが攻撃されると、工場の生産停止や事故等の被害が発生することになります。人工知能(AI)スピーカーで家電を動かす生活が広がり始めている家庭でも、遠隔操作によって被害を受ける可能性も考えられます。

米国の情報会社IHS Technologyは、インターネットにつながるIoTデバイス(端末・機器など)の数は、世界で2017年の275億個から2020年の403億個となり、4年間で1.5倍近く増加すると予想しています。

5Gの普及が進めば、IoTデバイスの数が一段と増える可能性は高いでしょう。IoTデバイスの数が増える5Gの社会では、情報セキュリティの重要性がさらに高まり、この分野の企業に追い風になりそうです。

注目したい情報セキュリティ企業

情報セキュリティ関連企業では、コンピューターウィルス対策ソフトで世界的な企業であるトレンドマイクロ(証券コード:4704)、サイバーセキュリティ対策のソフトを開発するFFRI(3692)、情報漏えい対策に有効なWebフィルタリングソフトにコンピューターウィルス対策の機能を加えたデジタルアーツ(2326)、ネットワークセキュリティ製品を扱うソリトンシステムズ(3040)などが注目されます。

また、ネットワーク監視サービス大手のラック(3857)、情報セキュリティ対策のネットワークシステムを構築するネットワンシステムズ(7518)なども注目しておく必要があるでしょう。

<文:投資調査部 川崎朝映>

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