はじめに
スポーツアパレルも熱視線
好調に拡大する市場に期待して、作業服メーカー以外からの参入も相次いでいます。
ゴルフメーカーのプロギアは5月30日、空調服とコラボしたファン付きゴルフウエアを発売しました。「ゴルフ場でも“キマる”ファン付きウエアがほしい」という愛好家からの要望に応え、胸元と背中にプロギアのロゴを入れ、カジュアル感があるデザインにしました。
ゴルフプレーヤーに向けたファン付きウエア
ベストタイプは2万0,600円(税別、以下同)、半袖は2万1,600円です。バッテリーとファン2つを合わせた重さは450グラムほど。稼働時間は最も強い風量にして8時間なので、1ラウンドを十分に回れます。生地にはUVカットや撥水、透湿などの機能も付けました。
「デサント」や「ルコックスポルティフ」などのスポーツブランドで知られるデサントも、ゴルフのプレーヤーや観戦者のニーズを見込んで、6月からファン付きウエアに参入。東京や大阪などの百貨店のゴルフウエアコーナーでテスト販売しています。
通常のファン付きウエアは風を通すので服が膨らみますが、デサントの商品は内部を筒状に仕切り、その中に空気を通す仕組み。他のファン付きウエアに比べて膨らみを抑えられ、洗練された印象です。
東京オリンピックが試金石?
「冬はダウンジャケット、夏は空調服という時代が近付いている」――。空調服の市ヶ谷会長は、こう力を込めます。
今年はゴルフウエアのほかにも、街中でファッションとして着ることができるデザインを意識し、カムフラージュ柄や、女性向けに赤色を取り入れました。猛暑の去年は生産が追い付かず、早い時期に完売してしまったため、2019年は前年の倍の130万点まで増やす計画を立てています。
遊び心があるカムフラージュ柄も展開
メーカー各社が期待するのは、来年夏に迫った東京オリンピック・パラリンピックです。競技の観戦着や、ボランティアスタッフが着る場面が増えれば、世界中の人から注目され、作業服以外にも販路が広がります。東京五輪はファン付きウエアが世界標準になる試金石といえるかもしれません。