はじめに
どうやって冷麺として成立させたか
今回のコラボは、2月にキューサイがソラノイロに話を持ちこんだことがきっかけ。その提案に、ソラノイロ代表の宮崎千尋さんが「面白い」と興味を示したため、キューサイが原料のケールを預けたのだそうです。
商品開発にあたって宮崎さんが最も気を配ったのが、おいしさとケールの共存。ケールを麺に練り込んでも青臭くならず、いかに冷麺として成立させるか、という点にポイントを置きました。
冷麺に使用しているケールを披露する宮崎代表
スープに入れる酢は、一般的な米酢よりも柔らかな味が特徴だという京都の「千鳥酢」を使用。その一方で、麺に練り込むケールの量を細かに調整。酸味でケールの青臭さを消したうえで、ケールの風味が消えないよう、配慮したといいます。
「どうせキワモノという感覚で食べに来た方にも、食べてみたらおいしいと思ってもらえるよう、心掛けました」(宮崎さん)
スイーツとのコラボも検討中?
産地直送、安心安全という共通するモットーを掲げるソラノイロだから声をかけてみたというキューサイの西澤健・PR企画部長は、「『まずくない、もう1杯』と言っていただける出来栄えになっています」と自信を示します。
同社が今回のコラボを提案した背景には、新規客層を開拓したいという思いもあります。青汁の現在のヘビーユーザーは60歳以上が中心。青汁冷麺を入り口にして、より幅広い年齢層にも青汁に親しんでもらいたい考えです。
キューサイは青汁関連の商品展開を拡大中
実はキューサイは2017年から、青汁の認知度向上に向けた各種のイベント開催やコラボ商品の開発、ホテルのドリンクバーへの商品提供など、これまでと異なる販路の開拓を進めています。「スイーツなどにも混ぜられる可能性がある。いろいろな企画を考えて、提供していきたい」と西澤部長。そのうえで、「ケールが当たり前の世の中になれば」と期待します。
最近では、スーパーフードとしても注目されるようになったケール。今回のコラボによって、これまであまり健康に気を留めていなかった新規層を開拓できるでしょうか。