はじめに
米国の代表的な株価指数であるダウ・ジョーンズ工業株価平均(以下、ダウ指数)は2018年の10月頃に下落し、11月頃は小康状態、そして12月頃に再度下落しました。約1ヵ月下落、約1ヵ月の小康状態、そして再度、約1ヵ月下落という流れです。
これを見ると、2019年も5月の下落から1ヵ月をおいて、7月にまた下落に陥ることがあるのかが少し心配になります。折しも6月末にはG20サミットという大きな行事が控えていることも、7月相場への懸念をもたらすかもしれません。
そこで今回の記事では、昨年後半の下落をもたらした要因・理由と私が考えるものを列挙し、現在の環境との比較を行いたいと考えます。
年初からの上昇率は15%に
ダウ指数は6月に今年の高値を付けました。メディアを見ると米中の貿易・知財問題など悲観的なニュースが目に付きますが、年初からの上昇率は約15%に達しました。
この「約15%」という上昇率を見て、読者の皆さんはどう感じますか。大きい、小さい、いろいろな意見はあると思いますが、私は米国の10年国債利回りが2%程度であることを考えると、個別株ではない“分散された株価指数”としては大きなリターンであると考えています。
騰落率だけではなく、ダウ指数の動きにも目を転じると、5月頃を除いて、ほぼ一貫して上昇傾向であることがわかります。そして、もう少し遡って過去1年間の株価の動きまで見ると、昨年後半に大きく下落したことも鮮明に思い出されます。