はじめに
タピオカは世界的ブーム、チーズティーでそれを上回りたい
タピオカブームのさなかに登場したチーズティー。その味が生まれたきっかけは、約10年前にさかのぼります。当時、台湾では濃厚なミルクフォームでドリンクに蓋をした「ミルクキャップ」という手法がはやりました。
そのミルクフォームを厳選させた素材で「チーズキャップ」として進化させ、高級感のあるドリンクに仕上げたのが台湾のmachi machiです。
machi machiの日本1号店が誕生したきっかけは、ベイクルーズが同社のスタッフに向けて行った社内公募でした。当時、表参道でアパレルスタッフとして働いているニエさんが、近隣のタピオカドリンク店の行列がだんだんと短くなっていたことに着目。「タピオカドリンクに次ぐ、新しいドリンクの店を作っては?」と手を挙げたそうです。
ベイクルーズは「J.S. PANCAKE CAFÉ」「J.S. BURGERS CAFÉ」などの自社ブランドのカフェやレストランを展開するほか、ロブスターロール専門店「LUKE'S」など海外の飲食店を誘致するなど、飲食事業にも積極的。そのため、ニエさんの提案も快く受け入れられたそうです。
「スイーツドリンクの調査のために台湾に行った際、machi machiと出会った」とニエさんは振り返ります。
チーズティーを扱う店はほかにもあったそうですが、ほどんどがお茶とチーズクリームの組み合わせ。フレッシュなフルーツとお茶を合わせたドリンク開発を行うなど、独創的なmachi machiのスタイルにも引かれたといいます。
台湾のmachi machiでマーケティングマネージャーを務めるクリスタル・リンさんは「チーズティーでタピオカ以上のブームを作りたい」と話します。
「タピオカは今、世界的なブーム。日本だけでなく、韓国やオーストラリアでも大流行しています。一方、台湾ではタピオカドリンクは定番化していますが、常に進化し続けています。チーズティーはそのスピリットを大切にしながら、より革新的なスイーツドリンクに仕上げました」(リンさん)
machi machiの日本進出を手がけたフレーバーワークスのニエ・ガンヤンさん(左)と、machi machiのオーナーの1人で、マーケティングマネージャーのクリスタル・リンさん
日本でも生タピオカや黒糖を使ったタピオカなど、オリジナリティーを出してほかのタピオカドリンク店との差異化を図るブランドが出てきています。
消費者もより新しいタピオカドリンクやスイーツドリンクを求めている。その流れで、チーズティーも受け入れられやすいのではないかと、ニエさんもリンさんも口をそろえます。
日本1号店のオープンに先がけて東京・自由が丘に開かれたポップアップストアは若い世代のみならず、30代以上の男女や子連れ客など幅広い層が訪れました。
すでにアジアの一部地域や米国、欧州、オーストラリアにも進出しているmachi machi。日本でも2019年末までに関西に3店舗、関東にさらに2店舗の開業を予定しています。トレンドの発信地・原宿でスタートを切ったチーズティー。そのブームは、果たしてどこまで広がるのでしょうか?