生活

WHOの診断名に「ゲーム障害」が加えられ「性同一性障害」がなくなる

約30年ぶりの改訂で大きく変わる二つのこと

精神医学の世界で、DSM(精神障害の診断と統計マニュアル)と並んで広く使われているWHO(世界保健機関)の診断基準の最新版が、2022年から発効するICD-11です。

すでに公開されているその内容で特に注目されているふたつのポイント。それは、性同一性障害という障害名がなくなって「性別不合」になったこと。

そしてもうひとつは、「ゲーム障害」という新しい疾患の導入です。時代によって移り変わる、疾病分類の持つ意味について考えます。


除外された「性同一性障害」

ICD(国際疾病分類)とは、WHO(世界保健機関)が作成した、疾病、障害の国際的な分類基準です。精神科医療の世界でも、アメリカ精神医学会が作成するDSM(精神障害の診断と統計マニュアル)と並んで、幅広く用いられてきました。

このふたつの疾病分類は、医学の進歩や時代の変化に伴い、定期的に改訂を繰り返してきました。

DSMのほうは、現在、2013年に作成されたDSM-5が使用されています。そして、ICDについては、昨年の2018年6月18日に、およそ30年ぶりの改訂となるICD-11の内容がWHOによって公表されています。

ICDとDSMは、異なる国の医師でも、同じ病気を見れば同じように診断できるよう、診断の基準を定めたものですが、どのような状態が病気であり、どのような状態が健康であるか、どのような状態が障害であり、どのような状態が健常であるかという基準は、決して不変ではなく、時代と共に移り変わってきました。

そのことを如実に示しているのが、今回公表されたICD-11から、性同一性障害 (GID)という障害名が外されたことでしょう。自身の肉体的な性と心の性が異なるといった性同一性障害は、長く障害や病気として扱われてきましたが、今回の改訂では、「性別不合」という名称になり、精神疾患や病気ではなく、ひとつの個人の状態であるという考えが示されました。

2013年のDSM-5でも、これに該当する状態は、「性別違和」という名称になっていて、「障害」という言葉は使われなくなっています。これからは、医学的にもLGBTを正常ではない状態として扱うのではなく、ひとつの性的なあり方であるという前提で扱うことが広まっていくでしょう。

Share to facebook.Share to twitter.Share to line.Share to hatena.

あなたにオススメ