はじめに

若い頃の食生活が健全だった最大の理由は「家に用意されていたから」

ここで、若い頃の食生活が良かったと答えた人に、その理由をたずねた結果をみてみましょう(図2)。

40歳以上の回答者全体で最も多くあげられた理由は「家に用意されていたから」で約半数を占めます。男性ではこの理由をあげた人が40代で6割、50代では7割近くを占めて他の理由に比べ圧倒的に高くなっています。

「家に用意されていたから」は40代女性でも最多理由ですが、男性に比べれば大幅に低くなっています。

また、女性の場合、「家に用意されていたから」と、「健康への意識が高かったから」や「時間的な余裕があったから」の割合の差が男性に比べ小さく、「自分で用意することができたから」をあげた人の割合も男性に比べ大幅に高くなっている点が注目されます。

女性の場合、家族の支援に加え、自身の健康意識の高さや食事を用意するスキルが、健全な食生活を支えたと感じている人が多いことがうかがえます。

男性に比べ、女性の方が健康管理に関する自己責任意識が強い

実は、筆者が所属する第一生命経済研究所が行った調査でも、「自分の健康を守るのは自分の責任である」という設問に「あてはまる」と答えた人の割合は、どの年代でも女性が男性を上回っています(注)。

このような意識には個人差もありますが、一般的に男性に比べ長生きが想定される女性の方が、自身の健康管理に関する自己責任意識が強いようです。

小さな一歩から

若い頃の健全な食生活を家族に頼ってきたと感じているミドル世代の男性のなかには、健康診断の結果等を受けて、生活習慣の見直しや健康づくりの必要性を感じている人もいるかもしれません。

通勤時間を活用したウォーキングなど適度に体を動かす機会を生活に取り入れることや、食生活の見直しも一案でしょう。家族を頼らず自炊の機会を増やせると理想的ですが、料理が苦手な人や忙しい人も多いはず。

自分の健康を自分で守っていくための小さな一歩として、外食やお弁当購入の際に栄養バランスを意識することから始めてみてはいかがでしょうか。

<引用・参考文献>
注:第一生命経済研究所編『「人生100年時代」のライフデザイン』2017年
 

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