老後

50年以上付き合いのあった隣家も?空き家になる「2つの理由」

財産が少ないほどまとまらない遺産分割

つい、この間まで付き合いのあった隣家がいつの間にか空き家に……。なぜ、空き家になってしまったのでしょうか。相続の専門家によると、空き家になるには2つの理由があるといいます。


50年以上の付き合いがあった隣家も、今では空き家に

「隣の空き家には、本当に迷惑しているんですよ……」

そう話すのは都内に実家がある水足克己さん(58歳・仮名)。水足さんの父親は20年前に亡くなり、80歳の母親が一人で実家に住んでいます。水足さんは月に1回、母親の様子を見るために足を運んでいるといいます。

水足さんの実家の隣には、空き家のまま放置されている家があります。お隣さんは水足家とは50年以上のお付き合いがあったものの、持ち主が亡くなり、次に相続する人が決まっていないとのこと。遺産分割協議が難航しているようです。

きちんと手入れされていた庭は雑草で荒れ果て、数十年前は立派だった隣家の松の木も今では水足さんの実家に寄りかかっています。

このお隣さんのようになっては大変だと、心配になった水足さんが今回相談に来られました。

空き家になる「2つの理由」とは?

空き家は近年、社会問題となっています。なぜ、空き家になってしまうのでしょうか。そこには、大きく2つの理由があります。

1つ目は、上記のように相続発生時における遺産分割協議(遺産を分ける話し合い)がまとまらない点です。戸建ての空き家を所有する人の52%が「相続」により取得したと回答しています(平成26年国交省「空家実態調査」より)。

「うちはそんなに財産がないから大丈夫」という話をよく聞きますが、実は財産が少ないほど話し合いがまとまらないことが多いのです。実際、水足さんのお隣さんも、財産はこの家と預金が少々といったところでした。聞くところによると、お隣さんの相続人は息子(50歳)と娘(48歳)の2人。息子は家を売りたいと言う一方で、娘は売りたくないと言い、意見がまったく合わず平行線のままだとか。

2つ目は、認知症等による被相続人の判断能力の低下です。近年では核家族化が進み、水足家のように親と子供が別の家で生活しているというのは珍しくありません。その結果、高齢になった親が一人で暮らしていくのが難しくなり、老人ホーム等の施設に入るために実家の売却を検討するケースが増えてきています。

しかし、所有者である親の判断能力が不十分だと実家を売却することが難しくなります。売却をしないまま施設に入ってしまうと、実家は当然、空き家になってしまいます。判断能力が不十分になったときに備えて、スムーズに売却できるように準備しておく必要があるのです。

判断能力があるうちにと、生前に不動産の名義を相続人に変更して贈与を検討される方もいらっしゃいます。ただ、贈与は受け取った方に贈与税がかかり多額の税金を納めることにもなるため、現実的ではないケースが多いのです。所有者からすると、自分の財産を取られると思ってしまうこともあり、話が進まずそのままになってしまう事例もあります。

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