はじめに
2017年に入り、米国株と日本株の格差がいっそう開いてきました。トランプ相場で順調に上昇を続ける米国株に対して、上昇率が徐々に頭打ちになってきた日本株。
この格差は、なぜ生じているのでしょうか? 時価総額トップ5の顔ぶれから垣間見える日米株価事情の違いを、整理してみましょう。
トランプ就任以降、順調な米大型株
米国株はトランプ大統領誕生以降、順調に上昇しています。
2017年3月、アメリカの株価を代表するダウ平均は、ついに2万1,000ドルを超えました。大統領選挙の投票があった昨年11月8日には1万8,300ドルという状況でしたから、まさにアメリカ株はトランプ相場で急上昇しています。
それに対して日本株はトランプ大統領誕生直後には急騰しましたが、今年に入ってからはさえません。現在の日経平均は、年初の株価とほとんど変わらない状況です。
それを象徴しているのが、時価総額トップ5銘柄です。2017年に入ってからの3ヵ月弱で、アメリカ時価総額トップのアップル社の株価は21%上昇しました。さらに、アマゾンが14%、グーグルを傘下に持つアルファベットが10%と巨大企業の時価総額が2ケタの上昇率を叩き出しています。
さらに、コカコーラやジレットなど、どちらかというとローテクな企業に投資する投資会社のバークシャーハサウェイが7%、そしてやや落ち目とも思われているマイクロソフトが4%上昇しています。
この5社が、アメリカにおいて時価総額が大きいトップ5銘柄なのですが、軒並み上昇していることがわかります。
日本の大型株の状況は?
一方で、日本の時価総額トップ5はどうでしょうか? 断トツでトップを走るトヨタの株価は、2017年に入ってから6%も下がっています。ドコモとNTTもそれぞれ3%増、1%増と増えてはいますが、アメリカ企業で一番さえないマイクロソフトよりも上昇率は低い状況です。
アメリカ銘柄と近い上昇率を示しているのは、三菱UFJフィナンシャルグループ(6%上昇)とソフトバンク(10%上昇)ですが、アップルやアマゾンと比べればはるかに小さい上昇率です。
結局のところ、このようにアメリカ株と日本株の格差が今年に入ってから開いてきているのです。