キャリア

自分のことを話さないリーダーは成功しない

「OPENNESS」こそがゴールへのカギだ

国内外で数多くのプロジェクトを成功に導き、現在は企業や教育機関におけるプロジェクトリーダーの育成に力を入れる伊藤大輔さんは、著書『プロジェクトリーダー実践教本』で次のように述べています。

「多くのリーダーは“OPENNESS(オープンネス)”を重要視しています。これはあらゆる国のビジネスにおいて共通の概念といっても良いでしょう」

「オープンであること」が大事なのは想像がつきますが、具体的にどう振る舞えばいいのかと考えると人それぞれに違うイメージを持つのではないでしょうか。

ここでは、リーダーたちが重要視するという「OPENNESS」について、『プロジェクトリーダー実践教本』第1章を中心に見ていきましょう。


信頼されるためにまず必要なこと

伊藤さんは「OPENNESS」を「寛大さ」「心が開かれていること」「開示性」「開放性」と表現しています。また、OPENNESSは2つの重要な観点を持っていると指摘します。それは「自己を開示すること」と「他を受け入れること」の2つの観点です。

企業でも政治の世界でもディスクローズ(情報を明らかにすること、発表すること)が求められます。なぜなら、情報が開示されないと透明性がなくなり、信頼・信用が得られないからです。

このことはリーダーシップにもいえます。チームメンバーやステークホルダーから信頼を得たかったら、リーダー自身が、自分がどういう人間なのかを真っ先に明らかにする必要があります。そうすることによって、メンバーたちはコミュニケーションのきっかけをつかめます。それが、深い関係を構築することにつながるのです。

もしあなたがリーダーになったら、時間や場所、公式か非公式かなどを問わずに、自分から積極的に情報開示しましょう。内容も仕事に関わることだけでなく、趣味や好きなスポーツ、家族のことなどプライベートな情報も提供します。「相手との接点」をできるだけ多く見つけたいからです。

プロジェクトは期限が決まっている仕事ですから、より早くチームメンバーやステークホルダーとの関係構築を進め、リーダーとしての信頼を得ていく必要があります。そのために関係構築のきっかけとなる接点をより多く提供することが重要です。(51ページ)

キックオフで重視すること

伊藤さんも多く関わってきたグローバルなプロジェクトでは、キックオフを旅行形式で行なったり、懇親会を開催したりすることが多いようです(「プロジェクト アクセラレーション プログラム」といいます)。コストはかかりますが、チームビルディングのためのプログラムを最初に設けることでプロジェクトの成功率も高まり、結果的にトータルコストも抑えられる、と考えられているからです。

しかし、小規模なプロジェクトの場合は予算もなく、いきなり旅行、というわけにもいきません。その場合は、伊藤さんがすすめる「Speed Dating」を試してはどうでしょうか。

もうひとつ、「Speed Dating」という簡単なワークがあります。ホワイトボードの前にチームメンバーと一緒に立ちます。そこに自分とメンバーの名前を書きます。さらに自分とメンバーとの共通点をホワイトボードに書き出します。リーダーから積極的に話しかけて書き込んでいきましょう。

例えば「私は営業出身です。皆さんは?」というような感じです。すると「私は今営業です」など、メンバーとの共通点が見つかったら、自分とメンバー、メンバー同士を線で結び、その線の間に「営業」と書きます。

もちろん、仕事だけではなく、先ほど述べたプライベートの情報もリーダーから提供してみましょう。

例えば「私はランニングが趣味です」と話し、「私もランニングしています」というメンバーがいれば、自分とメンバー、メンバー同士で線を描き、線の間に「ランニング」と書いたり、走っている人の絵を書いたりします。(54-55ページ)

Speed Dating
『プロジェクトリーダー 実践教本』53ページより

ランニングをしなくても、ゴルフやフットサルが趣味だ、という人が出てくるかもしれません。それらもボードに書いて、メンバー同士の共通点を見つけていきます。

このワークのポイントは、やはりリーダーの自己開示です。自分の情報を率先して開示するのは恥ずかしいかもしれませんが、リーダーがオープンにならないとチームビルディングのスピードも遅くなる傾向にあるそうなので、限られた時間のなかで強いチームを作るために、どんどん自分を出していきましょう。

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