はじめに

近年は別の方式が増加

ただし、バラスト軌道にも弱点があります。車両の通過によって繰り返し荷重がかかると、まくらぎが沈下したり、レールの位置がずれたりします。また、荷重によってバラストの角が丸くなったり、割れて小さくなると、バラスト道床の隙間が小さくなり、クッションがききにくくなります。

つまり、バラスト軌道は経年劣化が起こりやすく、バラストを交換したり、バラスト道床を突き固めるなどのメンテナンスを定期的に実施しないと、良好な状態を保つことができないという、大きな弱点があるのです。

そこで、近年建設された鉄道では「省力化軌道」が多用されるようになりました。「省力化軌道」とは、メンテナンスを簡略化する目的で開発された軌道の総称であり、代表例には、山陽新幹線以降に建設された新幹線で多用されている「スラブ軌道」があります。

さあ、最後にトリビアを1つご紹介しましょう。写真は、2005年に開業したつくばエクスプレスの線路です。

つくばエクスプレスの線路

この線路に敷かれたバラストは、まくらぎを支える役割はしておらず、ただコンクリートの上に敷いてあるだけ。しかも、そのサイズは、バラスト軌道で使われているものよりも小さいです。

さあ、このバラストは何のために線路に敷いてあるのでしょうか?

答えは、音を吸収するためです。

この軌道は、省力化軌道の一種である「弾性まくらぎ直結軌道」です。まくらぎは、弾性材を介してコンクリート製の基礎(コンクリート道床)に固定してあり、振動を吸収する構造になっているので、バラストがなくても使うことができます。

ただし、コンクリートの平らな表面が露出したままだと、走行時に発生する音が反響しやすいので、騒音が問題になりやすい区間では「消音バラスト」と呼ばれる粒が小さいバラストを敷き、音を吸収しています。

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