はじめに
掲示板大賞はヒットの条件がそろっていた
なぜ掲示板大賞はここまでうまくいったのでしょうか。江田さんは、幻冬舎の創業者である見城徹さんの「ヒットの4条件」を例に出し、掲示板企画を振り返ります。4条件とは「オリジナリティがあること」「明快であること」「極端であること」「癒着があること」です。
「お寺の掲示板をSNSでシェアして表彰するというのは、“オリジナリティ”あるものでした。スペースが限られる掲示板には、仏さまの言葉をより“明快”にして伝えなければいけません。仏教界でSNSを使う企画はいままで皆無であり、昔ながらのアナログな筆書きの掲示板を、それとは真逆のデジタルなスマホで見るというところが“極端”でした。そして、企画を始めるに際して、何人かの知り合いに掲示板大賞を取り上げてもらえるメディアはないかと頼んでみました。“癒着”ですね」(同)
オリジナリティや極端といったことは、仏教界など特に伝統を重んじる世界では、眉をひそめられることがあるかもしれません。しかし掲示板大賞に限っては、これまで非難は起きていないそうです。
「各お寺の掲示板に書かれた内容については、仏さまの言葉を単純化し過ぎたり、奇をてらい過ぎたりして、非難が起きることはあります。しかしお寺の掲示板の認知を上げるということ自体は、世間がお寺に関心を持ってもらう、きっかけになります。僧侶側の意識の高まりにもつながります」(同)
費用対効果が良く、保守的な業界において波風を立てず、世間の関心を高めることに成功した「輝け!お寺の掲示板大賞」。今年も10月末まで募集中です。あなたの近所のお寺にも、心に響く言葉が書かれているかもしれませんよ。