はじめに

いよいよ来月に迫ってきた、消費税率の8%から10%への引き上げ。各種報道でも増税前の駆け込み消費に関連したものが増え、まとめ買いをしている人も増えてきた印象があります。

では、多くの人はいったいどんなものを駆け込みで購入しているのでしょうか。インターネット通販・楽天市場の販売データを参考に、駆け込み消費の現状を分析してみます。


駆け込み消費のトップ3は?

駆け込み消費といえば、どんな商品を思い浮かべるでしょうか。日持ちのする生活必需品を大量に購入するイメージを持つ人も少なくなさそうですが、実際のデータを見てみると、意外な結果となりました。

楽天市場で8月1~20日に売れた商品を対象に、前年同期との比較で売り上げが大きく伸びた順に並べたものが下のランキングです。

駆け込み消費ランキング

1位は、なんとカレンダー。特に、タレントやアニメキャラクター関連の商品の動きが良いといいます。こうしたジャンルでは、保存用や鑑賞用、サインを書いてもらう用など、用途に応じて複数を購入するケースが多く、増税前にまとめ買いをしておこうというニーズが高まっているそうです。

2位は、ゲーム用機器。増税前のタイミングで大型タイトルや最新ハードが相次いで発売されることに加え、10月には茨城国体でeスポーツの都道府県対抗戦が開催されたり、高齢者施設で痴呆の進行防止用途で取り入れられたりと、注目を浴びていることから、需要が大きく伸びた格好です。

3位のリフォームは、ネット通販の置き配サービスが拡大していることもあり、郵便受け周りのマーケットが伸びているとのこと。また、10位以内には入りませんでしたが、11位の車・バイク関連サービスでは、煽り運転対策のドライブレコーダーや、冬用タイヤが売れているそうです。いずれも高額商品であることから、増税を機に潜在需要が顕在化したとみられます。

ミドル以上の女性が駆け込みやすい傾向

楽天市場のトレンドハンター・清水淳さんによると、消費税率が5%から8%に引き上げられる直前の2014年3月には、男性よりも女性のほうが駆け込み購入の意向が高く、40歳以下よりも41歳以上で駆け込み購入をした人の比率が高かったといいます。

こうした傾向は、今回も徐々に表れ始めているようです。14位にランクインした韓国コスメは、日韓関係の悪化を受けて韓国商品が少なくなるという不安も手伝い、需要が伸びているようです。同様の理由から、K-POP関連グッズも売れているといいます。

また、15位にはオーダーメイドのレディースファッションが入っています。こちらは高額商品となるため、価格に敏感な家庭を持つ女性が駆け込み購入に走っているようです。

一方、前回の増税前と異なるのは、前回が春だったのに対して、今回は秋である点。9月は運動会などのスポーツイベントが多いのに加えて、今年はラグビーワールドカップが日本で開催されます。

こうした理由から、4位にはブルーレイがランクイン。増税前のまとめ買いで需要が盛り上がっており、特にスポーツ関連のブルーレイが前年同期比1万0,258%増と驚異的な売れ行きの伸びを示しています。

また、6位に入ったプロジェクターは、スポーツの迫力ある映像を大画面で見たいというニーズが背景にあるそうです。自宅の庭などでグランピング仕様で大画面で視聴する人も出てきているといいます。

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