はじめに

大学等への進学はお金の話をオープンにできる時

高校3年生になると、奨学金制度について説明会が開かれる学校が多くあります。ほとんどのご家庭では、お金について初めてオープンになる機会とも言えます。ご家庭で進学のために支出できる金額がいくらなのか、そして、いくら不足するのかを親子で膝を突き合わせて話してみましょう。

そして、誰がお金をいくら負担するのかを、きちんと決めなければいけません。親が負担するのでしたら教育ローンなどを利用できますし、お子様が負担するのでしたら貸与型の奨学金を利用することになります。なお、入学金など前期までに納入する教育費は、教育ローンを利用しなければ納入期日に間に合いませんので注意が必要です。

奨学金を借りると、社会人になった時に負債を抱えてのスタートになる

このように、家庭でお金についてオープンにできる貴重な機会になるとともに、進学そのものについて考えさせる機会でもあります。お子様は奨学金という借金をしてまで進学したいと考えるか、そうではないのか、その選択を考えさせる機会になってもいいのではないでしょうか。

借金をすれば、社会に出るときに負債を抱えてスタートすることになるため、完済するまで返済することが最優先になります。したがって、貯蓄をすることは当然後回しになります。本来ならできた貯蓄が思うようにできず、その影響は完済するまで続きます。お金を借りて進学することがお子様の人生設計に大きく影響することを、借りる前に、進学をするのかも含めて、親としてきちんと話してあげましょう。

高校卒業後に就職することも選択肢としてあるということを、話し合いのテーブルの上に取り上げてほしいと思います。将来、お子様がやはり大学で学びたいというのでしたら、学ぶ機会は就職した後もあるはずです。

進学がゴールにならないように

まずは、家庭で最大限に用意できるお金を考え、それでも不足する場合は、お金を借りるのか、就職をするのかという流れで、お子様と話し合ってみましょう。学力などが優秀であれば、特待生として大学で学ぶこともできますので、このような方法もあることもお子様に話してみましょう。

進学がゴールにならないように、お子様が何で稼いでいきたいのかを、親の経験や考えも踏まえながら、将来の人生設計を考える機会にできたらよいのではないかと思います。

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