はじめに
読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。
今回の相談者は、収入はそれなりにあるのに貯まらないという40代のパート主婦。派手な生活はしていないのに、月末になるといつもやりくりに四苦八苦するといいます。FPの渡邊裕介氏がお答えします。
<相談者プロフィール>
・女性、41歳、既婚(夫:44歳、会社員)
・子ども3人:12歳、8歳、4歳
・職業:会社員
・居住形態:持ち家(戸建て)
・毎月の世帯の手取り金額:45万円
(夫:30万円、妻:15万円)
・年間の手取りボーナス額:450万円
・毎月の世帯の支出目安:43万円
【支出の内訳】
・住居費:9.8万円
・食費:6万円
・水道光熱費:2万円
・教育費:3.2万円
・通信費:1.3万円
・車両費:3.3万円
・お小遣い:夫3万円
・その他:3~5万円
・不明:10万円ほど
・保険料:年間82万円
【資産状況】
・毎月の貯蓄額:2万円
・現在の貯蓄総額:50万円
・現在の投資総額:100万円
・現在の負債総額:1900万円(住宅ローン)
渡邊: こんにちは。ファイナンシャルプランナーの渡邊です。今回は、家計整理のご相談ですね。
派手な生活をしているつもりがないのに、月末になると資金繰りに四苦八苦とのことです。こういったご相談は結構多いです。割と抑えて生活しているつもりなのに、支出が減らず、使途不明金がなくならないという方もいらっしゃると思います。効果的な家計見直しの手順についてみていきましょう。
ステップ1:何のために貯めるのか、優先順位をつける
まずは、なぜ家計の見直しが必要なのか、何のために貯蓄をしていきたいのか、からスタートです。お金が貯まらない、貯めたいという方に、「何のために貯めたいのですか?」という質問をすると、「なんとなく」とか「将来の何かあった時のために」と漠然とした答えが返ってくることがあります。
経済的な目標を箇条書きで良いので書き出してみましょう。そして、優先順位をつけていってください。理想はすべてを実現することですが、物理的に無理なケースもあります。必ず優先順位をつけていきましょう。
(優先順位の例)
1.子どもの教育費準備
2.マイホーム購入
3.海外旅行
4.車の購入
5.豊かな老後の生活
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ステップ2:必要な貯蓄額を試算する
次に、月々あるいは毎年いくら貯める必要があるのかを試算しましょう。
これは上記の目標達成のために、「いつまでに」「いくら」必要なのかを計算すれば出てきます。子どもの教育費であれば、大学まで行かせてあげたいとか、公立なのか私立なのかによっても準備するべき金額は変わってきます。