はじめに

往復200km程度のツーリングも快適にお安く軽々こなす

早速、走り出してみます。基本操作はスーパーカブと同じで、クラッチ操作は不要で走り出しもスムーズ。ギア・チェンジは必要になるのですが、それでもクラッチ操作が要りませんからライディングは楽々です。ベースとなったスーパーカブよりも少しだけ大柄なボディで安定しています。ギア・チェンジ以外は特別に高度なライディング技術も必要ではなく、スイスイと混み合った市街地を駆けぬけ、そのまま爽やかな風を感じることができる郊外に向かいます。

テスト日は夏の名残りはあるものの、のどかな郊外のカントリーロードに入ると風には秋の気配が……。何とも気持ちよく、ゆったりとした気持ちになり、これがバイクツーリングの醍醐味という感じですね。都内のスタートから60kmあまり走ると、この時点ではまだ疲労感も少なく、何より普通の交通の流れに乗って走ることが出来るので精神的に楽でした。残念ながら高速道路や一部自動車専用などは走行できませんから、一般道をトコトコと走るだけですが、その速度感がクロスカブ110の楽しさとも言えます。

ゆったりとしたプチツーリング感覚は、自分だけの時間を楽しみたいと考える人にはチョットお薦めです。私の知人にはこのクロスカブ110で東京から京都まで走っても苦にもならない、と言う知人もいます。さすがにそれは相当な覚悟がないとできませんから、一般の人にはお薦めできません。

ただ今回のツーリングで分かったのですが都内から片道100~150㎞ぐらいなら、何の問題もなくツーリング対応できます。途中、秩父周辺の山岳路も経験しましたが、エンジンは109ccで、最高出力8PS/7,500rpm、最大トルク:0.87kgf-m/5,500rpmというスペックで、パワー不足によるストレスなどを感じるというシーンはありませんでした。

途中の道の駅で休んだり、峠の茶屋で炭酸飲料を飲んだり、無人販売所で野菜を買ったり、なんとも楽しくツーリングを続けました。途中に気持ちの良さそうな小さな河原を見つけ、そこに降りていってヘルメットを取ると、鳥のさえずりが聞こえてきました。手頃なサイズのバイクならではの気楽さを実感した瞬間です。そして心地いい疲労感を残して駆けぬけた総走行距離220km少々のツーリングは無事に終えました。消費燃料は3.4リットルほどでしたから、燃費は65km/L弱ということになります。カタログ値燃費が66.7km/L(WMTCモード)ですから、ほぼカタログ値を達成したことになります。そしてなにより、これだけ走ってワンコイン(500円)でおつりが来ましたから、経済性も相当に高いことになります。

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