はじめに

結局何を買えば良いのか?

それでは今回の税制改正でどのようなクルマを購入するのが一番お得なのでしょうか。

これに関しては実はこれまでと同様、「環境性能に優れたクルマ」が一番お得になります。

電気自動車、燃料電池車、プラグインハイブリッド車、天然ガス自動車、クリーンディーゼル車。これらをまとめて「電気自動車等」という枠で括られていますが、「電気自動車等」に加えて、この他にも「★★★★かつ2020年度燃費基準+20%達成車」「★★★★かつ2020年度燃費基準+10%達成車」に関しては、今回解説した「環境性能割」の臨時措置において通常の税率からすべて「非課税」になります。

この点からも新車・中古車を問わず、まずは環境性能の高いクルマを選ぶことが今回の税改正を賢く生き抜く手段と言えます。

ヒストリックカーや古いクルマはどうなる?

税制改正は全体的に俯瞰すると環境インセンティブを強化するためにもエコカーが有利となっています。これに関しては異論はありませんが、日本はもちろん世界ではヒストリックカーに代表される往年の名車も沢山走っています。

海外を例に挙げると、ドイツでは製造されてから30年以上経過したクルマ(オリジナルの状態を保つなどの条件あり)であれば工業文化遺産として扱われます。いわゆるHナンバー(Historischの略)という制度があり、税制面での一部優遇などを受けることができます。

しかし日本の場合、新車登録時から13年以上が経過すると自動車税などが「重課税」されます。昨今のクルマは耐久性も向上し長く乗ることができますが、昔のクルマに関してはオーナーの愛着も強く「古いものを大事にしよう」と一生懸命メンテナンスを行っています。

残念ながら現在はこの重課税に従うしかありませんが、クルマ文化をより育てるためにも税制度にもフレキシブルな考えが生まれることも期待したいところです。

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