はじめに

「そんなことあるわけないでしょ」というようなことが起こるのが男女の関係。利害関係を考えればしてはいけないことも、性的欲望と恋愛感情の前には屈してしまうものなのかもしれません。


20歳年上の彼とつきあって4年

西日本の某市に住むワカコさん(28歳)は、20歳年上の男性とこの4年間、つきあっています。知り合った当初、44歳だった彼には15歳を筆頭に4人の子がいました。いちばん下は9歳の双子でした。

「仕事関係で知り合って、話しているうちに彼もテニスをしていたということがわかって。私が仲間内でやっているテニスサークルに彼を誘ったら来るようになったんです。そこからだんだん親しくなっていきました」

20歳年上の男性に恋愛感情を抱いたのは初めてだったそうです。ただ、ワカコさんは3歳のときに両親が離婚、父を知らずに育ちました。「ファザコンなんですよ」と笑います。

「彼はふだんから、どことなくおとうさんぽいんです。一緒に食事に行ったとき、魚の骨をとって身だけお皿に置いてくれた。父親ってこういうものなのかなと思ったら、なんだか泣けてきてしまって。父性愛的なものに惹かれ、その後、彼の男性性に恋したという感じですね」

彼は、いちばん下の子が高校を卒業したら一緒になりたい。それまで待ってくれるかと彼女の意志を尋ねてきたそう。

「私も子どもがほしい。だから確約はできないと告げました。そうしたら彼は、じゃあワカコが30歳になったら子どもを産んでいいからって。将来が見えてきたことで、彼との間がますます近くなりました」

関係を持って1年後、彼女は実家を出てひとり暮らしを始めました。彼はたびたび彼女の部屋にやってきて、泊まることもありました。

「もともと時間が不規則な仕事をしている上、会社から自宅が遠いので、ときどき会社に泊まっていたようです。奥さんもそのことでとやかくは言わなかったみたい」

あと9年。妊娠解禁まであと2年。彼女はそれを生きがいにしていました。そんな今年の春、彼が突然、彼女に告げたのです。

「実は年末に離婚した」

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