はじめに

それでも結婚はできない

いったいどういうことなのかと彼女は問いただします。

「もう、笑うしかないようなことが私の知らないところで起こっていたんです」

そもそも彼が住んでいるのは、妻の実家。母屋に彼ら一家が暮らし、妻の母親が離れで寝起きしていました。そこに昨年夏、妻の従姉妹が転がり込んできたのです。妻の母は母屋で過ごすようになり、離れを従姉妹が使っていました。

「彼、その妻の従姉妹と関係をもってしまったんですよ。ある日、深夜に帰宅したら離れの彼女に誘われて忍び込み、それからたびたびそういうことがあったそう。そして数ヶ月後、従姉妹が彼の奥さんに『あんた、別れてよ。私が妻になるんだから』と詰め寄ったんですって」

当然のことながら妻は激怒。大騒ぎになって親戚中が集まり、従姉妹は追放、彼は非難され、罵倒されました。そしてみんなの前で離婚届を書かされたのです。

「ところが離婚はしたものの、家から出ていくのは許されなかった。まだ教育費もかかるし、慰謝料や養育費をきちんと振り込むような男ではないと親戚が判断したらしいです(笑)。全然、信用されてない。まあ、彼自身も子どもと別れたくないから、まだ家を出る気にはなれなかったようですし」

彼はワカコさんの部屋に来て、泣きながらその話をしたのだそう。年明けから、なんとなく彼に元気がないように思っていたワカコさんは、話を聞いて謎が解け、かえってすっきりしたと言います。

「彼は完全に四面楚歌。奥さんも親戚も、詳細は子どもには伝えないということにしたようですが、なんとなく不穏な雰囲気はわかるでしょ、お子さんたちも。しょうもない男だなあと思いますよ」