はじめに

どうなる? 日本のユーザー

しかし、これまでセダンやワゴンを乗り継いできたユーザーからは「ひょっとしたら新型カローラもボディが大きくなってしまうのでは?」という懸念が生じていました。

特にカローラセダン(当時はアクシオ)に長く乗ってきたユーザーからすれば、街中でのすれ違い、駐車場への入庫など「5ナンバーだから楽に扱えたのに……」という声も数多く聞こえてきました。

このまま、ボディが大型化してしまうと国内販売では非常に不利になる。そこでトヨタは大英断を下すことになります。

国内専用ボディを開発!

何と、新型のセダンとツーリングは国内専用となるナローボディをわざわざ開発しました。理由は前述した通り、これまでのカローラのユーザーニーズに応えるためです。

新型セダン&ツーリングの全幅は1,745mmとスポーツより45mmも短くなっています。

ツーリングの「W×B」は236万5000円(消費税10%込み)。エンジンは従来の1.5Lから1.8Lに変更されたことで走りのスムーズさは大幅に向上しました。価格や装備から考えてもかなりコスパが上がっていることがわかります

従来から販売されているスポーツの最上位グレードである「ハイブリッドG“Z”」は282万4800円(消費税10%込み)。販売1年でハンドリング性能を向上させるなどその進化は驚くばかりです

しかし、5ナンバーではなく、3ナンバーであることには変わりはありません。それではせっかくの専用開発も意味が無いのでは?と思う人もいるはずです。しかし実際の取り回し性能は従来と同等どころか扱いやすくなっているのです。

実は5mmしか拡大していない秘密

3ナンバーになりセダン&ツーリングもスポーツほどではなくても全幅は50mm拡大されました。これではいくら国内専用に開発したと言ってもやや説得力に欠けます。

冒頭に書いたように5ナンバーのメリットはすれ違いや駐車場の入庫のしやすさにあります。特にスーパーなどの駐車場では乗降時にドアを開けた際、隣のクルマに当たってしまう心配やUターンをする際などの小回りのしやすさも重要なポイントです。

しかし新型は全幅の拡大でネガになりそうな部分を極力改善している点がポイントです。

ツーリングを例に取ると、ドアミラーを格納した際、クルマのほぼ中心からの車幅は旧型が888mmなのに対し新型は893mmとわずか5mmしか拡大してません。

また駐車場などでドアを全開にした際、クルマの中心からの“開け幅”を比較すると旧型が1,729mmなのに対し、新型は1,723mmと6mm短くなっています。

そして小回り性能を表す「最小回転半径」では16インチホイールを装着する「W×B(ダブルバイビーと読みます)」グレードで旧型が5.5mだったのに対し、新型は5.3mと20cmも短くなっています。

つまり数字上は確かに拡大していますが、日本の道を走る以上、知恵と技術で使い勝手自体は旧型同等、部分的にはレベルアップさせたのが新型カローラの凄い部分なのです。

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